DeNAと横浜市は2017年4月24日、「無人運転サービス・AIを用いた地域交通課題解決プロジェクト」を開始したと発表した。高齢化や横浜市内に数多く存在する「ニュータウン」の老朽化などによって、移動手段を失ってしまう「交通弱者」の増加を予測し、DeNAが持つ自動運転技術を活用して課題を解決するために発足したプロジェクトだ。
このプロジェクトではまず、横浜市内で自動運転車の実証実験を開始するところから始まる。当初は私有地など道路交通法の規制が及ばないところで実験を始め、実用化を目指す。さらにバスやタクシーなど、地域の交通を担っている事業者と連携して、高齢化が進んだ後の社会において、効率が良い地域交通がどのようなものであるのかを模索し、研究を進めるとしている。
また、公道での自動運転車の実証実験も実視する意向を示している。自動運転に必要なデータを人工知能(Artificial Intelligence:AI)で解析するサービスも開発し、その活用を試みる実験などを経て、無人自動運転による交通サービス提供へとつなげるとしている。
当面、自動運転車の実証実験はDeNAの無人自動運転機能付き電気バス「Robot Shuttle」を使用すると考えられる。事前に設定したルートを、カメラ、各種センサー、GPSを駆使して車両現在位置を把握しながら自動で走行する車両だ。
図 DeNAの無人自動運転機能付き電気バス「Robot Shuttle」
出所 DeNA
DeNAと横浜市はプロジェクトの初めての取り組みとして、4月27日(木)、28日(金)の2日間にわたって、横浜市金沢区にある「金沢動物園」で「Robot Shuttle」の試乗イベントを開催する。両日とも10:00~15:00のスケジュールで実施する予定。雨天の場合は中止となる。試乗イベントでは、実用化を目指して試乗参加者を対象にアンケートを実施するとしている。