Volkswagen Groupは、全固体電池を開発しているアメリカQuantumScapeに1億ドルを出資し、2025年の実用化を目指して共同開発を進めると発表した。
Volkswagen Groupは2018年6月21日(中央ヨーロッパ時間)、全固体電池を開発しているアメリカQuantumScapeに1億ドル(110億円:1ドル=110円で換算)を出資し、2025年の実用化を目指して共同開発を進めると発表した。QuantumScapeは2010年にスタンフォード大学の卒業生が設立した企業、全固体電池の実用化に向けて開発に取り組んでおり、全固体電池に関する特許を出願中のものも合わせて200件ほど保有している。Volkswagen Groupは2012年からQuantumScapeと協力関係にあり、今回の出資に合わせて取締役も送り込む。今回の出資でVolkswagen Groupは自動車関連企業としてはQuantumScapeの最大株主となる。
図 Volkswagen Groupは、全固体電池を利用すれば「e-Golf」の航続距離を750kmまで伸ばせると見ている
出所 Volkswagen Group
Volkswagen Groupは全固体電池を次世代の電気自動車(EV)の電源として最も有望なものと見ている。全固体電池は、リチウムイオン蓄電池に比べてエネルギー密度や急速充電性能を高めることができ、小型化が可能だ。さらに、安全性が高まるので発火などの事故が減る。Volkswagen Groupは同社のEV「e-Golf」に全固体電池を搭載できれば、航続距離を現在の約300kmから約750kmまで伸ばせると見ている。
現在のところ、EVで使える程度の性能を持つ全固体電池を開発した企業はない。しかしVolkswagen Groupは、QuantumScapeが試作した全固体電池の試作セルを、EVで使用できるレベルの電力で動作させることに成功したという。明らかになっている限り、業界初の快挙だ。
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