中部電力は2018年12月11日、大井川水力発電所の維持流量放流設備を利用した「いちしろ水力発電所」を建設すると発表した。維持流量放流設備のうち、未利用となっていた約10.6mの落差を利用して水を落とし、水車を回して発電する。
図 「いちしろ水力発電所」の完成イメージ
出所 中部電力
いちしろ水力発電所は大井川水系の大井川沿いに立地しており、所在地は静岡県榛原郡川根本町(はいばらぐんかわねほんちょう)。2020年度に着工し、2021年度に運転開始の予定だ。
図 「いちしろ水力発電所」の位置
出所 中部電力
発電所の最大出力は160kW。中部電力は年間発電量を約1.35GWh(135万kWh)と見積もっている。一般家庭の年間消費電力量にすると約430世帯分に当たる電力量だ。設備利用率を計算するとおよそ96%に達する。そして中部電力は、いちしろ水力発電所が稼働することで、年間およそ640トンほどのCO2削減効果が期待できるとしている。
中部電力は営業地域内に流量が多い河川が多いことから、ダムの維持流量を利用した発電所や、河川の流れを止めない流れ込み式の発電所など、小規模の水力発電所の建設に積極的に取り組んでいる(参考記事)。
■リンク
中部電力