国際的に、ブロックチェーン技術による電力取引が注目されているなか、米国ニューヨーク州ブルックリンで、マイクログリッド環境を構築し、ブロックチェーンの技術による先端的なP2P電力プラットフォームの実証を推進している、LO3 Energy社(エルオースリーエナジー・インク、2012年創業。)が日本に上陸する。丸紅や京セラと、それぞれ共同して実証試験を開始する。
丸紅は、グループ内の電力消費者(国内の丸紅グループ施設および丸紅新電力株式会社の顧客先)と発電源(丸紅の国内保有発電所)にブロックチェーン機能搭載メーターを設置し、これにより、発電源で発電された電力を、電力消費者がバーチャル市場経由で、購入したい価格を専用のモバイルアプリで設定し、購入することを模擬的に、LO3 Energyと共同で実証実験する注1。
京セラは、同社の横浜中山事業所内に、2016年度から参加しているVPP高度化技術実証における試験環境を整備し、LO3 EnergyのP2P電力プラットフォームを使用した技術検証とブロックチェーン技術の活用に向けた共同実証を開始する注2(図参照)。具体的には、複数の需要家を模した太陽光発電システムおよび蓄電池などをもつ試験環境を整備し、送配電事業者が利用する調整力電源の制御精度の向上を目的に、IoTセンサーによる家電分離技術注3を用いた制御技術の確立を進める。
図 京セラのVPP環境における実証システムのイメージ
API:Application Programming Interfac 、クラウドを共有し、ソフトウェア機能を連携させること。
出所 https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0206_vppv.html
また、LO3 Energy社のブロックチェーン技術を活用して、1対1または1対複数での電力取引における需要家側リソースの利用実績の管理技術の有効性を検証する。
注1
https://www.marubeni.com/jp/news/2019/release/20190220J.pdf
注2
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0206_vppv.html
注3
株式会社エナジーゲートウェイが提供するIoTセンサーが備えている技術。