≪5≫NTTのNGN商用サービスの特徴
ここで、このたび提供されたNTTのNGNサービスの主な特徴を見てみましょう。
図3に示すように、日本の光ファイバ・アクセス網(FTTH)は、世界で最も普及(1000万契約を突破、2007年9月末現在)し、安い料金で提供されていることもあり、日本は世界のブロードバンド先進国となっています。
このような状況を背景に、2006年12月から2007年12月の1年間、NTTはNGNフィールドトライアル(実証実験)を実施し、東京と大阪の2カ所にショールーム「NOTE」を開設し展示してきました。図4に、NGNフィールドトライアルで行われた、一般のモニター宅における端末機器の設置イメージを示します。
このような実証実験を踏まえ、2008年3月31日から、従来のフレッツ系サービスに加えて、次のような新しいNGNの商用サービス「フレッツ 光ネクスト」が提供されています。
(1)光ブロードバンド・サービスの提供
NGNにより、これまでのベストエフォート型IP通信に加え、帯域確保型アプリケーション・サービスが利用できる新光ブロードバンド・サービス「フレッツ 光ネクスト」などの提供を行う。
(2)ひかり電話のサービス
「フレッツ 光ネクスト」を利用する「ひかり電話」では、「Bフレッツ」で提供している「ひかり電話」のサービスに加え、よりクリアな音声の高音質IP電話(7kHz)や高精細で自然な動きを実現する広帯域テレビ電話(SD品質相当:標準テレビ・クラス)が、利用できる。
(3)セキュリティ対策サービス
「フレッツ 光ネクスト」を利用するユーザーのための総合セキュリティ対策サービス「フレッツ・ウイルスクリアv6」を提供する。
(4)法人ユーザー向けサービス
■「ビジネスイーサ ワイド」の提供
従来、県内通信のみを提供してきた広域イーサネット・サービスについては、新たに県内・県間をフルサポートした新イーサネット通信サービス「ビジネスイーサ ワイド」を提供する
■「フレッツ・VPNゲート」の提供
ユーザーのネットワークやサーバなどを、「フレッツ・VPNゲート」契約回線に接続することによって、「フレッツ 光ネクスト」契約者との間で、センタ‐エンド型の通信を実現する新しいVPNサービス
(5)コンテンツ・プロバイダ向けサービス
■「フレッツ・キャスト」の提供
コンテンツ・プロバイダなどの配信サーバをNGNに接続し、映画・音楽などのコンテンツを、「フレッツ光ネクスト」契約のユーザーにIPv6アドレスによって配信するコンテンツ・プロバイダ向けサービス。ベストエフォート型通信に加え、他の通信の影響を受けることなくコンテンツ配信を可能とする帯域確保型通信(ユニキャスト通信のみ)も提供する
■「地上デジタル放送IP再送信事業者向けサービス」の提供
地上デジタル放送IP再送信事業者向けに、帯域確保機能を用いた「地上デジタル放送IP再送信事業者向けサービス」を提供する