[特別レポート]

【風力エネルギーシンポジウム・レポート】 世界最大の7MWの洋上風力発電(浮体式)がいよいよ稼働!

=復興目指して「福島洋上風力コンソーシアム」が実証へ=
2014/12/11
(木)

去る2014年11月27日~28日の2日間、東京・九段の科学技術館で「第36回風力エネルギーシンポジウム」(主催:日本風力エネルギー学会/日本科学技術振興財団)が開催された。同シンポジウムでは、日本における再生可能エネルギーが注目されるなか、日本における風力発電について、陸上風力から洋上風力に至る最新の研究や技術開発の成果が次々に報告され、大きな注目を集めた。ここでは、初日に行われた経済産業省 資源エネルギー庁省エネルギー新エネルギー対策課 課長補佐 青木 洋紀(あおきひろき) 氏の基調講演「再生可能エネルギーをめぐる現状と課題」のうち、とくに風力発電に関する部分を中心に編集し、レポートする。

≪1≫浮体式洋上風力は、2018年までに商業化へ

 
経済産業省 資源エネルギー庁
課長補佐 青木 洋紀氏
 
政府は、「エネルギー政策基本法」注1に基づいて、表1に示すように、エネルギー基本計画を策定してきた。2014年4月には、東日本大震災(2011年3月11日)以降、最初の計画となる第四次エネルギー基本計画が策定されているが、この基本計画では、再生可能エネルギー(とくに風力)については、次のような方針や政策が策定されている。
 
(1)現時点では、安定供給面やコスト面でさまざまな課題が存在するが、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障注2にも寄与できる有望かつ多様であり、重要な低炭素の国産エネルギー源である。
 
(2)再生可能エネルギーについては、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく。
 
(3)再生可能エネルギー等関係閣僚会議を創設(2014年4月1日に設置)し、政府の司令塔機能を強化するとともに、関係省庁間の連携を促進する。
 
(4)風力発電については、環境アセスメント(環境影響評価)の迅速化や地域内送電線の整備を担う事業者の育成、広域的運営推進機関注3が中心となった地域間連携線の整備、大型蓄電池の開発・実証、低コスト化に向けた技術開発等を推進する。
 
(5)洋上風力については、2014年度に固定価格買取制度(FIT)の新たな価格区分を創設。
浮体式洋上風力(後述)は、世界初の本格的な事業化を目指し、福島沖や長崎沖で浮体式
洋上風力の実証を進め、2018年頃までにできるだけ早く商業化を目指す。
   
表1 エネルギー基本計画の策定と目的
 
 

▼注1
エネルギー政策基本法:2002年6月7日に制定、同月14日に公布、施行された。http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO071.html
 
▼注2
エネルギー安全保障:環境への影響を考慮しながら、一般家庭や企業活動のために、必要なエネルギーを合理的な価格で継続的に確保すること。
 
▼注3
広域的運営推進機関:電源の広域的な活用に必要な送配電網の整備を進めるとともに、全国大で平常時・緊急時の需給調整機能を強化するために電気事業法の一部を改正する法律(平成25年法律第74号)で規定された組織。この広域的運営推進機関は、2014年8月22日に設立が認可され、2015年4月1日に設立される予定。

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