この組織は、「小売全面自由化などを踏まえた電力の取引の監視」や「ネットワーク部門の中立性確保のための行為規制の実施」などを行うために新設された経済産業大臣直属の8条委員会注1。「総務課」「取引監視課」「ネットワーク事業監視課」からなる専任の事務局が置かれるほか、地方組織の経済産業局などにおいても総務企画部門に取引監視室を設置し、その事務の処理に当たる。5名の委員で構成され、委員長には八田 達夫氏(アジア成長研究所 所長/大阪大学社会経済研究所 招聘教授)が就任した。
同委員会では法律に基づいて、業者に対する報告徴収や立入検査、業務改善勧告、あっせん・仲裁など委員会単独で行う権限と、託送料金の認可や小売事業者の登録などに際して審査を行い、経済産業大臣に対して意見を述べたり、取引ルールについて経済産業大臣に建議する権限を行使して、電力の適正取引の監視やネットワーク部門の中立性確保のための行為規制などを実施する(http://www.emsc.meti.go.jp/committee/)。
第1回会合では、消費者と小売電気事業者の間で発生した契約トラブル等の相談に応じるための相談窓口を設置した。また、同委員会の下に「電気料金審査専門会合」および「制度設計専門会合」の設置や委員会の運営規程などを定めたほか、今後の監査、小売電気事業の登録審査、託送料金審査の進め方などについて、議論が行われた。
注1 8条委員会とは、国家行政組織法第8条に基づく委員会をいい、調査審議、不服審査、その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどる合議制の機関のこと。
参考URL http://www.meti.go.jp/press/2015/09/20150901007/20150901007.html、http://www.emsc.meti.go.jp/