[市場動向]

数字で見る「再生可能エネルギー」の導入状況

2013/06/01
(土)

再生可能エネルギーが世界中で注目を集めている。その背景には、地球温暖化対策としての化石燃料依存からの脱却や、東日本大震災以降高まる原子力発電への不安、あるいは固定価格買取制度(FIT:Feed In Tariff)を活用したビジネス機会など、さまざまなものがある。ただし、再生可能エネルギーの実際の導入量を見ると、現時点ではそこまで大きくはない。このように再生可能エネルギーは、大きな注目は集めているものの、実際の導入という観点からすると、今後の導入が期待されている分野である。ここでは、太陽光と風力、そして地熱の導入状況について、具体的なデータをもとに、その現状を確認していく。

世界の導入量:2000年から2011年にかけて72%の成長

まず、世界における再生可能エネルギー全体の導入容量(GW:ギガワット)の推移について、米国のNREL(National Renewable Energy Laboratory、国立再生可能エネルギー研究所)がまとめた、2000年から2011年までの累積量をまとめたものが図1である。

図1 世界における再生可能エネルギーの導入状況(単位:GW)

図1  世界における再生可能エネルギーの導入状況(単位:GW)

〔出所 「2011 Renewable Energy Data Book」、 http://www.nrel.gov/docs/fy13osti/54909.pdf

2000年には748GWであった導入容量は、2011年に1285GWにまで増え、2000年から2011年にかけて72%成長したことになる。このうちもっとも成長が速いのは風力と太陽光であり、2000年と比べた2011年の導入容量は、風力で13倍、太陽光では51倍にまで増えている。ただし、絶対量で見た場合、もっとも多いのは水力で、この傾向は2000年から現在まで変わりがない。それに次いで多いのは風力で、世界的に風力発電への注目が高いことがわかる。

この2011年の導入量を国別に見ると、もっとも導入量が多かったのは中国で、第2位は米国となっている。それに次いで、ブラジル、カナダ、ドイツという順に並んでいる。

太陽光発電の導入量:欧州の2011年は世界全体の約74%

以降は、個々の再生可能エネルギー源の導入状況を見ていくこととする。

まず太陽光である。図2はEPIA注3(欧州太陽光産業協会)がまとめた2000年から2011年までの太陽光発電の導入量(MW:メガワット)の推移である。

図2 世界における太陽光発電の累積導入量(単位:MW)

図2  世界における太陽光発電の累積導入量(単位:MW)

〔出所 「Global Market Outlook for Photovoltaics until 2016」、 http://www.epia.org/fileadmin/user_upload/Publications/Global-Market-Outlook-2016.pdf

2011年の全世界の導入量は69,684MW(約70GW)となっており、2010年の導入量(40,019MW、約40GW)と比較して、約1.7倍となっている。なかでも欧州の2011年の導入量は51,716MW(約52GW)と世界全体の導入量の約74%を占めている。

2011年の導入量を国別に見ると、もっとも導入量が多かったのはドイツで、イタリアがそれに次いでいる。日本の2011年の導入量は世界第3位で、世界全体の導入量のうち7%を占めた。第4位以降はスペイン、米国、中国などの国が並んでいる。


▼ 注1
日本では、経済産業省の過去の政策において、化石燃料由来以外の電源を「自然エネルギー」や「新エネルギー」という名称で呼ぶこともあったが、最近では「再生可能エネルギー」と呼ぶことが一般的である。これは、2011年3月11日に法案として閣議決定され、2012年7月1日から施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が大きな契機となっている。

▼ 注2
BP(イギリスに本社を置くエネルギー関連企業)が毎年発表している“Statistical Review of World Energy 2012”に掲載されているデータをもとにすると、世界における2011年のエネルギー消費量のうち再生可能エネルギーが占める割合は約1.5%であった。

▼ 注3
EPIA:European Photo-voltaic Industry Associa-tion。

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