2014年6月11日、2016年に電力小売参入を全面自由化する改正電気事業法が参院本会議で成立した。これは、電力システム改革の実施スケジュールのうち、広域系統運用機関の設置に次ぐ第2段階の改革。
改正法は、すでに自由化されている企業向けに加え、一般家庭を含む小口部門の小売も自由化する具体的な措置を盛り込んだ。大手電力の地域独占を撤廃することで、消費者が他地域の電力会社や新規の小売事業者などを自由に選べるようになる。これにより、現行の大手電力が独占するコンビニなどの商店や家庭向けの7.5兆円規模の市場が開放され(図参照)、ガスや通信、自動車メーカーなどの異業種からの新規参入が進むことが期待される。ただし、自由化後、電力の安定供給のため、小売事業者の供給電力確保の義務化や、小売料金の値上げから需要家を保護する一定期間の料金規制措置などがとられる。
なお、発送電分離などを盛り込む電力システム改革の第3弾は、2015年の通常国会に改正案を提出する予定。
図 7.5兆円の市場が期待される小売参入の全面自由化