[特集]

福島県相馬市のスマートコミュニティ事業戦略とそうまIHIグリーンエネルギーセンター

― 再エネの余剰電力を最大活用して地産地消をめざす ―
2018/08/01
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

地域のエネルギーマネージメント(CEMS)の構築

 図6は、スマートコミュニティ事業における地域エネルギーマネージメントシステム(CEMS:Community Energy Management System)を示したものである。

図6 スマートコミュニティ事業 〜 地域のエネルギーマネージメント(CEMS)

図6 スマートコミュニティ事業 〜 地域のエネルギーマネージメント(CEMS)

出所 IHI配布資料、「福島県相馬市で展開する スマートコミュニティ事業の取り組みについて」、2018年6月28日

表3 そうまIグリッド合同会社のプロフィール(敬称略)

表3 そうまIグリッド合同会社のプロフィール(敬称略)

※特定送配電事業者とは、特定電気事業者や自営線をもつ特定規模電気事業者(新電力等)のことで、届出制である。さらに、特定送配電事業者が小売供給も行う場合は、登録特定送配電事業者として登録しなければならない。
 電力システム改革によって、送配電事業の中立・公平性を高めるため、2020年4月から旧電力会社10社の発電部門と送電部門を分離する「発送電分離」によって送配電部門の分社化が行われる。このため、いずれこの問題は解決されると期待されている(注:東京電力は既に先行して分社化が行われ、一般送配電事業会社として「東京電力パワーグリッド株式会社」が設立されている)。
出所 https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2017/other/2017-6-07/index.html

  1. 図5の黄色い点線で示したスマコミ事業・水素研究エリアでは、新設(2018年4月発電開始)した先進型の太陽光発電(パワーコンディショナー出力1,250kW)の電力を、IHI、相馬市、パシフィックパワー(東京都千代田区)の3者が出資する「そうまIグリッド合同会社」(表3)が運営する自営線(登録特定送配電事業)を経由して、次の設備に供給し地産地消する。
    ①相馬市下水処理場〔下水処理場および下水汚泥乾燥設備(余剰電力は蒸気貯蔵に使用)〕
    ②また、スマコミ事業・水素研究エリアでは、水素製造研究設備(余剰電力は水素の製造・貯蔵に使用)や災害対応(BCP)設備(余剰電力は水素の製造・貯蔵に使用)
  2. 市街地では、既設の相馬市内にある太陽光発電や市場(JEPX注5)からFIT電気を仕入れ、図6のオレンジの一般送配電線(小売電気事業,東北電力の配電線を託送)経由で、市庁舎や市民会館、体育館や学校その他の市内公共施設へ供給し,再エネ電力の地域での使用拡大を図る。

 図6の中央に示す、地域全体のエネルギーを管理するCEMSでは、以上のような設備を監視しながら、電力の需要と供給のバランスをとる仕組みを構築した。


▼ 注5
JEPX:Japan Electric Power Exchange、一般社団法人 日本卸電力取引所

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