[特集]

【7周年記念】世界の脱炭素化の現状 2030年、最大32ギガトンもの削減量不足が判明

― 1.5℃/ 2℃温度目標と国別目標とのギャップ ―
2019/12/12
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

日本の2030年度の詳細な排出量目標

〔1〕エネルギー起源CO2が全体の90%を

 前述した日本の温室効果ガスの削減目標のうち、2030年度までの温室効果ガス排出量については、すでに詳細に目標が決められているので、次に紹介しよう。

 2030年度までの温室効果ガス排出量の詳細は、表2〜表5に示すように、具体的に決められている(ブレークダウンされている)が、2050年度までのCO2排出量の詳細については、現在、策定されている最中である。

表2 エネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安

表2 エネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安

エネルギー起源CO2:石油・石炭等の燃焼によって排出されるCO2
出所 日本の約束草案(2015年7月17日、地球温暖化対策推進本部決定)

表3 非エネルギー起源CO2・メタン・一酸化二窒素の排出量の目標

表3 非エネルギー起源CO2・メタン・一酸化二窒素の排出量の目標

非エネルギー起源CO2:農地の土壌や廃棄物から出るCO2
出所 日本の約束草案(2015年7月17日、地球温暖化対策推進本部決定)

表4 HFC等の4ガスおよびガス別の排出量の目標

表4 HFC等の4ガスおよびガス別の排出量の目標

HFC:Hydro Fluoro Carbon、ハイドロ・フルオロ・カーボン。炭化水素化合物。一般に「代替フロン」といわれている。HFC(代替フロン)は塩素をもたないためオゾン層を破壊しない。しかし、代替フロンはCO2の数百倍~数万倍の温室効果があるため、地球温暖化の原因になる。このため、漏れ対策やその使用後の回収などの管理が重要となる。
出所 日本の約束草案(2015年7月17日、地球温暖化対策推進本部決定)

表5 2030年度の温室効果ガスの排出量と吸収量 (単位:百万t-CO2

表5 2030年度の温室効果ガスの排出量と吸収量 (単位:百万t-CO2)

HFC:Hydro Fluoro Carbon、炭化水素化合物。一般に「代替フロン」といわれる
出所 日本の約束草案(2015年7月17日、地球温暖化対策推進本部決定)をもとに編集部作成

 温室効果ガス排出量のうち、特徴的なのは、エネルギー起源CO2(石油・石炭などの燃焼によって排出されるCO2)の排出量が、全体の90%注6を占めているほど比重が大きいことである。

 2030年の削減目標は、国内の排出削減や吸収量注7を確保することによって、2013年度比26%削減の水準(約10億4200万t-CO2、表5参照)となっている。

 この2030年度の排出削減量「10億4200万t-CO2」は、表5に示すように、表2、表3、表4を統合し、CO2の吸収量を引き算したものとなっている。

〔2〕日本の温室効果ガス排出量の推移

 図6に、日本の温室効果ガス排出量の推移を示す。

図6 日本の温室効果ガス排出量(2017 年度確報値)

図6 日本の温室効果ガス排出量(2017 年度確報値)

出所 環境省

 基準年である2013年度と比べて、全体的に排出量が減少傾向にあるが、これはHFCs(代替フロン)の排出量が増加した一方で、省エネなどによるエネルギー消費量の減少や、太陽光発電や風力発電などの再エネの導入が拡大したこと、また原子力発電の再稼働など、非化石燃料の割合の増加によって、エネルギー起源のCO2排出量が減少したためと見られる。


▼ 注6
「2013年エネルギー起源の排出量1,235」(表1右)÷「2,013年の総排出量1,408」(表1右+表2右+表3右の総計)≒0.9(約90%)

▼ 注7
植林や森林の整備、都市緑化などの推進によって、例えばCO2の吸収量〔表4の−37(すなわち、−3,700万t-CO2)を確保すること。

関連記事
新刊情報
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...
5Gの技術からビジネスまですべてがわかる 5Gは社会や産業に何をもたらすのか? といったビジネス関連のトピックから、その変革はどのようなテクノロジーに支えられているのか?といった技術的な内容まで、わ...
本書は、特に産業用の5G/IoTの利用について焦点を当て、MWC19 Barcelona での産業用IoTに関する最新動向や、国内外の最新動向の取材をもとに、5Gの市場動向やビジネスモデルをまとめた解...