[特集]

【7周年記念】世界の脱炭素化の現状 2030年、最大32ギガトンもの削減量不足が判明

― 1.5℃/ 2℃温度目標と国別目標とのギャップ ―
2019/12/12
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

今後の展開:最大32ギガトンもの不足をどう解決するか

 図8は、『Emission Gap Report 2019』における、1.5℃および2℃の温度目標シナリオと国別削減目標とのギャップを示したものである。

図8 1.5℃/2℃目標シナリオと国別目標とのギャップ(2019年11月)

図8 1.5℃/2℃目標シナリオと国別目標とのギャップ(2019年11月)

出所 “Emission Gap Report 2019”, United Nations Environment Programme

 パリ協定が定めた温暖化を1.5℃あるいは2℃に抑えるためには、温室効果ガスの排出量を大きく削減しなければならない。2020年1月から始動するパリ協定の実現に向けて、各国はそれぞれ2030年までの削減目標〔前述した「約束草案」(NDC)〕を提出しているが、すべての国がその削減目標を達成したとしても、パリ協定を実現するための削減量が不足していることが判明した。

 つまり、2℃目標には、

  1. 条件付き国別目標の場合は12ギガトン(12GtCO2e)
  2. 条件なし国別目標の場合は15ギガトン(GtCO2e)

の削減目標量がなお不足し、1.5℃目標には、

  1. 条件付き国別目標の場合は29ギガトン(GtCO2e)
  2. 条件なし国別目標の場合は32ギガトン(GtCO2e)

と、さらに厳しく削減目標量が不足するということである注8

 この『Emission Gap Report 2019』の発表直後の12月2日〜13日、スペインの首都マドリードで開催される、国連気候変動会議COP25において、このような厳しい現実をどう乗り越えるか。世界の国々が、地球温暖化対策に向けた不退転な決意と行動計画や、急速なイノベーションが求められている。急速に進む地球温暖化は、まさに待ったなしの状態となっている。


▼ 注8
(1)「条件なし国別目標」(約束草案)とは、「条件を付けないで自分の国だけで実現する場合」をいう。
(2)「条件付き国別目標」(約束草案)とは、「自分の国の排出量はこれだけ」しかし「国際的支援があったらこれだけ可能」というような条件付きの場合をいう。

ページ

関連記事
新刊情報
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...
5Gの技術からビジネスまですべてがわかる 5Gは社会や産業に何をもたらすのか? といったビジネス関連のトピックから、その変革はどのようなテクノロジーに支えられているのか?といった技術的な内容まで、わ...
本書は、特に産業用の5G/IoTの利用について焦点を当て、MWC19 Barcelona での産業用IoTに関する最新動向や、国内外の最新動向の取材をもとに、5Gの市場動向やビジネスモデルをまとめた解...