この連載では、ワイヤレス・ブロードバンドや放送にとって生命線といわれる「電波/周波数の割り当て」問題についてレポートします。携帯電話サービスへのニーズは今日、ますます高度化・多様化し、第4世代(4G)に向けた新しい携帯電話用周波数の確保が求められています。今回は、2003年10月に公表された「周波数の再編方針」に基づき、現在総務省で進められている携帯電話用の周波数割り当ての取組みについて解説します。
3G、3.5Gから4Gへ
新たな携帯電話用周波数の確保が急務
日本の携帯電話は、1979年のサービス開始以来、着実に普及が進み、現在では加入数が9,300万加入を超え、私たちの生活に広く浸透しています。また、サービス内容についても、開始当初のアナログ方式による音声サービスから、データ通信も可能な第2世代(2G)のデジタル方式に、さらに現在は第3世代(3G)への移行が順調に進み、3.5世代では画像等の大容量データのやりとりを可能とするシステムへと着実に高度化しています(図1)。
携帯電話は今後、3.9世代、第4世代(4G)へとさらに高度化が進み、ユビキタス・ネットワーク社会の基本インフラへと発展することが期待されています。
このように、携帯電話サービスの高度化・多様化のニーズに応え、また、携帯電話事業の競争を促進することが求められていることから、携帯電話用周波数の有効な活用を図るとともに、新たな携帯電話用周波数の確保が重要な課題となってきています。
総務省では、2003年10月に公表した「周波数の再編方針」に基づいて周波数の再編を進めており、携帯電話用周波数がひっ迫している状況を受け、携帯電話や広帯域移動無線アクセス・システム用の新たな周波数帯の確保等の取組みを進めています。今回は、携帯電話用の周波数割り当てについて紹介します。
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