ほで始まるスマートグリッド用語

一般に、ホームゲートウェイ（HGW）は、ユーザーが契約をしたインターネットサービス事業者（ISP）との契約によって、インターネットサービスを利用できるようにする相互接続装置である。その装置が接続できる端末は、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などである。ホームゲートウェイには、ブロードバンドルータ機能（ルータ）やWi-Fiアクセスポイント、IP電話（VoIP）などの機能が搭載されている。

家庭を対象にしたICT（情報通信技術）システムを構築するネットワークのこと。このホームネットワークは、
（1）AV（オーディオビジュアル）系ネットワーク
（2）情報系ネットワーク
（3）センサー系ネットワーク
（4）エネルギー管理系ネットワーク
などの複数のネットワークシステムが関係する複合的なネットワークシステムとなっている。最近、スマートグリッドの世界では、エネルギー管理系ネットワークのことを「HAN（Home Area Network、ホームエリアネットワーク）」［→］と呼んでいる。

サービス事業者によるソフトウェアを、ホームゲートウェイ上に配信し、実行する情報通信基盤。ネットワーク接続機能を備えた家電機器や照明器具、エアコンなどを容易にネットワーク接続し、エネルギー管理も含めて家庭で一元管理できるプラットホーム（情報通信基盤）のこと。「ホームICTプラットフォーム」ともいわれる。これまで、家庭内に設置されたいろいろな家電機器（例：テレビやVTR などのAV 機器等）を接続して活用するホームネットワークは実用化されているが、ホームICTでは、このような家電機器にさらに冷蔵庫、照明機器、空調機器などのエネルギー関連機器も含めて接続し、便利に使用できるようにした、スマートグリッド時代の家庭用基盤のことである。

ホワイトスペースとは、各種の利用目的のために電波が割り当てられているが、時間帯や地域によって利用されていない（White）周波数帯（Space）のこと。IEEEでは、TVホワイトスペースを無線のブロードバンドとして活用することを目指して、2004年9月に、ルーラル（地方）エリアを対象にした、IEEE802.22WG（ワーキンググループ「Wireless Regional Area Networks」）を設立。以降、7年余にわたって標準化が進められてきた。この間、米国のFCC（Federal Communications Commission、連邦通信委員会）は、2008年11月に、テレビ放送用などに割り当てられているが利用されていないホワイトスペース（周波数帯）を、免許不要のバンドとして開放することを決定。その後、2011年6月に、IEEE 802.22WGで標準化が完了し、標準規格書が発行されるに至り（2011年7月1日。注）、ホワイトスペースが利用可能となった。その最大伝送速度は、テレビ1チャンネル分の周波数帯域幅（6MHz 幅）を用いて最大伝送速度22.7Mbps（固定通信向け）を実現。通信距離もWiMAX の基地局一基のカバー範囲（数km）よりもはるかに大きい数十km以上となっている。日本でもホワイトスペースが存在しているが、アナログ放送の終了（2011年7月25 日）後、電波の割り当ての再編にあわせてホワイトスペース利用の開始が検討されている。なお、このホワイトスペースの利用形態は、米国では免許不要の「スーパーWi-Fi」［→］へと進展し、スマートグリッド向けの利用も可能になってきた。標準規格書出版の出版は、2011年7月1日“IEEE 802.22-2011 Standard for Cognitive Wireless Regional Area Networks (RAN) for Operation in TV Bands”。
〔注）Cognitive Wireless（コグニティブ無線）とは、無線システムがいつも割り当てられた電波を100％使用しているわけではないので、それを認識（コグニティブ）して、別の無線システムに割り当てるという意味。