デンマークØrsted(エルステッド)は2018年9月6日(グリニッジ標準時)、イギリスのアイリッシュ海で洋上風力発電所「Walney Extension Offshore Wind Farm」の運転を開始したと発表した。この発電所の合計発電出力は659MW(65万9000kW)。2018年9月時点で運転している洋上風力発電所の中でも、世界最大のものになるという。
図 運転を開始した「Walney Extension Offshore Wind Farm」
出所 Ørsted
Walney Extension Offshore Wind Farmはイギリス・カンブリア州のバロー=イン=ファーネス(Barrow-in-Furness)から西に19kmの海域に位置する風力発電所。Ørstedが50%出資しているほか、デンマークの年金基金であるPKAと、デンマークの保険会社PFAが25%ずつ出資している。
図 「Walney Extension Offshore Wind Farm」の位置
出所 Ørsted
風力発電設備は2種類使用している。デンマークMHI Vestas Offshore Wind「V164-8.0MW」(出力は8.25MW)を40基と、スペインSiemens Gamesaの「SWT-7.0-154」(出力は7MW)を47基設置した。合計発電出力は659MW(65万9000kW)となり、年間にイギリスの一般世帯の年間電力消費量にして59万世帯分の電力を発電する。Ørstedはこの数字を1世帯の年間消費電力を4100kWhとして計算したとしており、この数字から計算するとWalney Extension Offshore Wind Farmの年間発電量は2.419TWh(24億1900万kWh)となる。設備利用率はおよそ41.9%に達する。
Ørstedは2018年1月に、イングランドの北海沖で合計発電出力が1.2GW(120万kW)となる洋上風力発電所「Hornsea Project One」の建設を開始している(参考記事)。2020年にこの発電所が運転を開始すれば、世界最大の洋上風力発電所となる。