イギリスFiat Chrysler Automobiles(FCA)は2018年1月30日(グリニッジ標準時)、自動運転に必要な設備を備えた「Chrysler Pacifica Hybrid」数千台をWaymoに供給すると発表した。Waymoはこの車両を2016年に100台、2017年に500台導入しており、現在は600台を運用している。
図 Waymoの自動運転車。FCAの「Chrysler Pacifica Hybrid」を基にしている
出所 Waymo
Waymoは新たに供給を受ける車両を、無人自動運転タクシーサービスに活用する。このサービスはまず、アリゾナ州フェニックスで始まり、全米のほかの都市にも拡大していく予定だ。ちなみにWaymoは2017年11月に、アリゾナ州フェニックス都市圏の住民に自動運転車を無料で貸し出す「Early Rider Program」で提供する車両を無人自動運転のものに切り替えていくと発表している(参考記事)。
Waymoが供給を始める、無人自動運転車はSAE(Society of Automotive Engineers:アメリカ自動車技術会)が定義する「レベル4」の自動運転車となる。ほとんどの環境で自動車が主導権を握って自動で車両を走らせることができるが、特定の環境、条件では走行できない車両ということになる。FCAはレベル4の自動運転車は、この車両が世界初だとしている。SAEが定める最高レベルであるレベル5は、人間が運転できる環境ならどこでも自動車が完全に車両を走行させることができる車両となる。
WaymoのCEOであるJohn Krafcik氏は「世界初の無人自動運転車を投入できたことにより、私たちが注力すべき分野は研究開発から、運用と配車に変わった」と、自動運転車が実用のものになったことを強調するコメントを残している。