アメリカTrōvは2017年12月19日(アメリカ西海岸時間)、Waymoと提携を結んだと発表した。Waymoが2018年からアリゾナ州フェニックスでサービス開始を予定している、自動運転タクシーの乗客に保険を提供する予定だ。無人の自動運転車を好ましいものとは考えず、利用したいとも思わない一般人はまだまだ多い(参考記事)。乗客に保険を提供することで、自動運転車に対する不信感を払拭しようという狙いだ。
図 Waymoの自動運転車。同社はこの車両を利用して自動運転タクシーのサービスを開始する予定だ
出所 Waymo
Trōvは2012年設立のベンチャーで、個人の所有物に保険を提供するシステムを提供している。利用者はスマートフォンの専用アプリケーションを操作することで、自身の持ち物にいつでも保険をかけることができ、保険が必要なくなったらアプリケーションの簡単な操作だけで解約できる。動産を対象とした保険は、動産の購入時に保険契約を交わし、保険料を一括で支払うことが一般的だ。この形では保険料が掛け捨てになり、対象の動産が1カ月後に不要になったとしても、支払った保険料は戻って来ない。その点、Trōvが提供する保険は、自身の持ち物に保険をかけている間だけ保険料を支払えばよく、必要なくなったら支払いも発生しないという利点がある。
Trōvの創業者でCEOを務めるScott Walchek氏は「Waymoは個人の移動という行為をより楽なものにするために開発を続けている。Waymoの自動運転車の乗客に提供する保険も同じように楽に利用できるものでなければならない」とコメントしている。そしてTrōvとWaymoは、自動運転タクシーの乗客が簡単に保険を利用できるシステムを共同で開発する予定であることも明かした。
Waymoの自動運転タクシーで提供する保険は、乗客がタクシーを利用するたびに「契約」し、移動中の事故に対して保険を提供するものになるという。保険の対象は、利用者の所有物や定刻通りの運行も対象にする予定。例えば、タクシー乗車中に持ち物を紛失したときや、運行が中断したときなどに補償金を支給する。万が一の事故が発生し、乗客が負傷したときはもちろん医療費を補償する。