≪1≫機器ベンダ・ルートと導入支援・ユビテックのビジネス・スキーム
■ルートとユビテックの両社の関連について説明してください。
真野浩氏
(ルート 代表取締役)
真野氏 私は、地域WiMAXの制度をどのようにするか(制度設計)について、早い時期から意見を述べてきました。そして現在、制度ができました。しかし、WiMAXに対応した機器がなければ具体的なサービスはスタートしませんし、新規事業者の参入のためにWiMAXを導入する支援を行うことも必要です。
そこで、当社ルートは、WiMAX関連製品の開発ベンダとして、ユビテックさんはWiMAXのソリューションのコンサルテーションや設計や構築などの導入を支援する企業という、上流と下流のような関係で、ゆるやかな協業を推進していくことになりました。
荻野司氏
(ユビテック 代表取締役社長)
荻野氏 別な見方で言うと、真野さんは、2001年に無線インターネット接続サービスを提供するモバイルインターネットサービス株式会社(MIS)を立ち上げられるなど、無線によるインターネットについての草分け的存在で、ユーザーが無線を意識せずに、インターネットを使える環境を提供しています。
これに対してユビテックは、どうしたらお客様にWiMAXをつかったソリューションを提供できるか、という立場です。有線や無線に関係なく、ユーザーがインターネットやそのうえで動くいろいろなアプリケーションを利用できるように、機器の選定や設定、ネットワーク全体の設計や構築、運営などを手助けするということです。図1
に当社の事業体制を示します。
今回総務省が策定した地域WiMAXの制度は、これまでになく画期的なものになっています。それは、通常であればいろいろな制約をつけた制度となりがちなところを、電波を地域に割り当てるというフレキシブルな形になったという点です。
こうして、制度ができたわけですが、次のフェーズとして、実際にどのように活用するかがホットな話題になっています。
真野氏 そうですね。電波は有限であり、公共財です。電波を有効に活用するためには、ガチガチに技術を縛って規定するのではなく、必要最小限の規制、ルールにして、その上で事後監視とすることです。今回の地域WiMAXのように、電波を地域ごとに割り当てるという制度は、限りなくインターネットの自律分散型に近い形になっています。