PoEにおけるデータ送信と電力供給の具体的な仕組み
〔1〕8ピンのモジュラジャック(RJ-45)を使用
これまで、PoEの標準化動向やアーキテクチャ等を中心に解説してきた。
次に、IEEE 802.3 af標準をベースに、PoEにおけるデータ送信と電力供給の仕組みを見てみよう。
イーサネットでは、機器との接続のために、ケーブルの両端に付けられた8ピンのモジュラジャック(RJ-45、指し込み側。図5)を、PSEの受け入れ側のモジュラジャックに差し込んで使用する。このとき、UTP(より対線)は、RJ-45のピン番号1と2、3と6、4と5、7と8をそれぞれペアとして、合計4ペアのケーブルが使用される(RJ:Regis-tered Jack)。
〔2〕2つの電力供給モデル
IEEE 802.3afのPoEは、このようなイーサネットケーブル(UTPケーブル)で電力を送るが、IEEE 802.3af規格には2種類の方法がある(注:802.3atも同じである)。
すなわち、IEEE 802.3af規格では、後述するように、
- 信号ペア(2ペア:ペア1-2とペア3-6)で電力を供給するAlternative A(選択肢A)
- 予備ペア(2ペア:ペア4-5とペア7-8)で電力を供給するAlternative B(選択肢B)
の2方式である。いずれもPSEから15.4Wを給電し、PDで12.95Wを受電する。給電可能距離は最大100mである。
なお、PoEには、PSEから直接PDに電力を供給するエンドポイント型と、PSEとPDの中間から電力を供給するミッドスパン型があるが、ここでは、エンドポイント型のみを紹介する。両者については次のURLを参考にされたい。
【http://home.jeita.or.jp/is/seminar/110210_igcs/pdf/4.pdf】
〔3〕PoEにおけるAlternative Aの場合の電力供給の仕組み
PSEからPDに直接給電するエンドポイント型のAlternative Aの場合の電力供給の仕組みを、図6と図7に示す。
図6 PoEにおける電力供給モデル Alternative Aの仕組み(1):エンドポイント型(10/100BASE)の直流電力供給の場合
〔出所 http://home.jeita.or.jp/is/seminar/110210_igcs/pdf/4.pdf〕
図7 PoEにおける電力供給モデル Alternative Aの仕組み(2):エンドポイント型(1000BASE)の直流電力供給の場合
〔出所 http://home.jeita.or.jp/is/seminar/110210_igcs/pdf/4.pdf〕
〔4〕PoEにおけるAlternative Bの場合の電力供給の仕組み
PSEからPDに直接給電するエンドポイント型のAlternative Bの場合の電力供給の仕組みを、図8と図9に示す。
図8 PoEにおける電力供給モデル Alternative Bの仕組み(1):エンドポイント型(10/100BASE)の直流電力供給の場合
〔出所 http://home.jeita.or.jp/is/seminar/110210_igcs/pdf/4.pdf〕
図9 PoEにおける電力供給モデル Alternative Bの仕組み(2):エンドポイント型(1000BASE)の直流電力供給の場合
〔出所 http://home.jeita.or.jp/is/seminar/110210_igcs/pdf/4.pdf〕