サーベイ結果に基づく将来の業界モデル
〔1〕4つの業界モデル
図8は、IBMが2008年に提示した2018年まで業界モデル予想で、調査結果に基づき、エネルギー業界の将来に最も影響のある2つの要因は、「技術進展」と「消費者の自主性(主導権)」という考えに基づいている。
具体的に見てみると、縦軸が技術進展となっており、上部は分散化と双方向、下部は集中化と一方向になることが示されている。また横軸は主導権、つまり市場の主導権を持つのが供給側なのか需要側なのかということを示しており、縦横で4分割されて分類している。
主導権を電力供給側が持ち、集中発電、大規模発電所を持っているとき「受動的現状型」となる。このモデルは、ほとんどの国が2008年頃この範囲に分類されていたが、徐々に「オペレーション変革型」「制約付き選択型」「参加型ネットワーク」の3つの方向に、各国の規制緩和に伴ってビジネスの変化が起こってきている。
〔2〕「参加型ネットワーク」モデルへ移行
最近では、それが更に発展し「分散発電」や「消費者(需要家)との連携」の方向に変化してきている。先述した風力発電の例のように、消費者側が積極的にエネルギーに携わっていきながら、安定的な供給をすることで、図8の「参加型ネットワーク」の領域にだんだん移行してきている傾向にある。
したがって、エネルギーに関連したビジネスも、図のような大規模・一極集中で発電をして、安定的に遠くから電気を送るモデルから、消費者が積極的に供給側にも絡みながら、分散化・双方向に移行していくビジネスモデルに変わっていくということを予想している。
事例として紹介したHEMS/BEMSデータ・アグリゲーションや北九州スマートコミュニティ創造事業、および、デンマークのボーンホルム島EDISONプロジェクトなどは、まさに消費者との連携として「参加型ネットワーク」モデルの特徴を持っている。
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後編では、電力の規制緩和後に誕生する新電力ビジネスと課題について、海外事例をもとに見ていくとともに、想定されるソリューションを考えていく。
(後編につづく)
【インプレスSmartGridニューズレター 2014年3月号掲載記事】