[標準化動向]

oneM2M標準化の最新動向

─アーキテクチャ仕様書が6月に完成、初期仕様書セット(プロトコル/セキュリティ仕様書等)は8月にリリース─
2014/08/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

M2Mの国際的な標準組織である「oneM2M」は2012年7月に設立され、2013年から実質的な活動に入り、現在では、2014年の8月にイニシャルリリース(初期リリース)を出す段階にある。ここでは、同組織の活動の目的や6 つのM2Mレイヤ構造とoneM2Mの標準化活動の関係、標準化のスコープ(範囲)、これまでの成果物について整理した後、今後の作業計画について見ていく。

oneM2Mの設立の目的と活動

世界の7つの標準化団体(SDO)注1によってoneM2Mという組織が設立されたのは、2012年7月である。oneM2Mの実質的な活動は2013年に入ってからとなった注2
 
この間、oneM2Mでは、M2Mに関して、M2Mサービス層におけるサービス要求条件や機能アーキテクチャをはじめ、プロトコル/API注3、セキュリティ、管理・抽象化などを中心に標準化が検討されてきた。また、ユースケース(M2Mの活用事例)やアーキテクチャに関する技術報告書(TR:Tech-nical Report)も完成させてきた。
 
さらに、2013年10月に「ステージ1」として、oneM2Mとして初の技術仕様書となる「要求条件の技術仕様書」(Requirements Technical Specification)を完成させ、2014年6月、ステージ2となる「アーキテクチャ仕様書」が完成した。2014年8月には、ステージ3となる「プロトコル仕様書」や、「セキュリティ仕様書」「デバイス管理仕様書」などの策定などが行われ、上記の仕様書をv.1.0.0版として一括でリリースされる。これらの仕様書は、oneM2M内部のみならず、外部からもコメントを募集し、さらに完成度を高め、2015年2月には、V1.1.0版として発行される予定である。

▼注1
SDO:Standard Development Organization の略。日本のARIB( 電波産業会)、TTC( 情報通信技術委員会)、中国のCCSA( 中国通信標準化協会)、韓国のTTA( 韓国通信技術協会)、カナダを含む米国ATIS( 米国電気通信標準化連合)、TIA(米国電気通信工業会)、欧州のETSI(欧州電気通信標準化機構)など。
 
▼注2
oneM2Mは、2014年から組織として参加費を有料化( それまでは無料)したこともあり、メンバー数は、実質的には255 会員から174 会員に減少したが、oneM2Mに関するアクティブなメンバーは、ほとんど変更(減少)はなかったため、今後、oneM2Mを運営していくうえで支障がない状況である。なお、7月にはメンバー数は195まで再度増加した。
 
▼注3
API:Appl icat ion Programming Interface

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