米国の一次エネルギー源の供給・需要の構成
次に、米国における一次エネルギーの供給と需要の構成を見てみよう。
図3は、米国の一次エネルギー源の供給・需要構成〔( )内は構成比率%〕を示したもので、左側が一次エネルギー源の供給比率、右側が各部門の需要比率となっている。
図3 米国の一次エネルギーの供給と需要の構成(2016年)〔( )内は構成比率%〕
U.S. primary energy consumption by source and sector, 2016
Quadrillion:1000 兆=1015 BTU :British Thermal Unit、英国熱量単位 1BTU:1055 ジュール
出所 Sources : U.S. Energy Information Administration, Monthly Energy Review(April 2017),
Tables1.3, 1.4a, 1.4b, and 2.1−2.6、
https://www.eia.gov/totalenergy/data/monthly/pdf/flow/css_2016_energy.pdf
https://www.eia.gov/totalenergy/data/monthly/
一次エネルギー源の供給比率(図3左側)を見ると、米国では一次エネルギー源の供給比率は、化石燃料(石油・天然ガス・石炭)が実に81%(=37%+29%+15%)を占め、次いで再生可能エネルギー(以下、再エネ)が10%、原子力が9%(100%が電力部門に供給)と、化石燃料が圧倒的に大きくなっている。
また、各部門の需要比率(図3右側)を見ると、輸送部門(自動車等)では92%が石油に依存し、工業部門においては45%が天然ガス、38%が石油に依存している。さらに、住宅・商業部門では天然ガスが74%、電力では34%が石炭、27%が天然ガスに依存している。
以上の傾向を整理したものが表3である。
表3 米国の一次エネルギー源の供給・需要構成の傾向
出所 EIA:Energy Information Administration、米国エネルギー省エネルギー情報局
図4は、図3のうち、特に米国の再エネに焦点を当てて作成したものである。
図4 米国における再生可能エネルギー構成と各比率(2016年)
(注)構成要素ごとの四捨五入のため、合計は100%にはならない場合がある。
BTU:British Thermal Unit
出所 U.S.Energy Information Administration ,Monthly Energy Review, Table 1.3 and 10.1, April 2017,preliminary data
これを見ると、米国の再エネ比率はここ数年間、全体の10%で推移して、その合計は10.2×1015BTUである。その内 訳はバイオマスが46%、水力が24%、風力が21%、太陽光が6%となっている。