NEC:AIスピーカーの実現技術「音声アシスタント」
スマートフォンに次ぐ新しい市場として、米国で急速に普及しているAIスピーカー(あるいはAIスマートスピーカー)が、2017年に入り、日本でも注目を集めている。
AIスピーカーは、多くのベンダ(表2)から発表されているが、人間がAIスピーカーに話しかけるだけ(キーボードなし)で、家庭におけるエアコンや照明の操作したり、聞きたい音楽の選曲をしたり、知りたい天気予報やスケジュールなどを聞いたりすることができる。AIスピーカーの心臓部には、クラウド上にあるAIアシスタントという、音声認識技術(音声情報を文字化する技術)や言語処理技術が使用される。
表2 最新のAIスピーカーの例
※マイクロソフトのAIアシスタント「Cortana」(コルタナ)搭載のAIスピーカーの発売も間近い
出所 各種資料をもとに編集部作成
NECブースでは、株式会社MJI(本社:東京都港区)が開発した、たまご型のコミュニケーションロボット「Tapia」(タピア)2台(写真7)を用いて、声で個人を特定するなどの音声認証技術の展示デモが行われた。
写真7 NECブースにおけるたまご型ロボット「Tapia」による声認証技術のデモ
出所 編集部撮影
例えば、来場者が左のTapiaに向かって、自分の好きな単語を話して声を登録(音声パスワードの登録)すると、その登録内容は通信を通じてコンピュータに記録される。その後、別の場所にある右のTapiaに対して、登録した同じ音声パスワードで話かけると、登録されている音声と照合され、本人かどうかを認証してくれる、などのデモが行われた。
音声アシスタントは、音声によって個人を特定できるため、AIスピーカーやロボットだけでなく、企業における入退室管理、テレショッピングやコールセンターにおける本人確認など、幅広い用途が期待されている。
また会場では、「スマートスピーカー・プラットフォーム」や「対話型知識検索・自然言語SQL」などを開発している、Jetrun(ジェットラン)テクノロジ(東京都港区)のブースでも、自然対話AIプラットフォームの展示が行われていた。