SMK:Sigfox(LPWA)の下りにも対応した「WF931」を発表
情報インフラの先進的なサプライヤーを目指すSMK(本社:東京都品川区)は、IoT向け専用のLPWA(Low Power Wide Area、低消費電力型広域無線通信網)である、Sigfox、LoRaWAN、IP500(IP500アライアンス規格、通信距離500m、伝送速度500kbps)の展示デモを行った(写真12)。
写真12 SMKブースにおけるLPWAのラインアップと各ネットワーク構成
出所 編集部撮影
すでに、KCCS(京セラコミュニケーションシステム)から、2017年2月にサービスが提供されているIoTネットワーク「Sigfox」は、日本の920MHz帯の制限から上りの通信に限られていたが、2017年10月1日に施行された920MHz帯無線システムの制度改正注5に伴い、下りの通信も可能となった。
このためKCCSは、2017年11月から下り通信のサービスを開始する注6。これにより、例えば、上りのメッセージに対応した下りのメッセージで、IoTデバイスの設定変更や送信成功の通知(ACK)などの双方向通信が可能になる。
SMKでは、これに対応して、写真13に示す、上りが923.2MHzで100bps、下りが922.2MHzで600bpsのSigfox RF(無線)モジュール「WF931」を開発し、展示した。
写真13 SMKのSigfox RFモジュール「WF931」(左の白い四角)を搭載したボード
出所 編集部撮影
アンリツ:3GPP標準のLPWAの接続を実演
計測器メーカーのアンリツは、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどが2017年度中にサービスを提供する予定となっている、3GPP標準のLPWA「LTE Cat.M-1(eMTC)、NB-IoT」の無線送受信(TRx)測定用ラジオコミュニケーションアナライザ「MT8821C」のデモを行った。
写真14は、LTE Cat.M-1(Category MTC-1)をスマートメーターや自動販売機に実装し、3GPP標準に準拠しているかどうかを「MT8821C」で評価する構成図である。
写真14 LTE Cat.M-1の場合の無線送受信(TRx)測定用ラジオコミュニケーションアナライザ「MT8821C」による評価試験の構成図
出所 編集部撮影
また写真15は、「MT8821C」に、実際のLTE Cat.M-1チップ(写真左。eMTCとも呼ばれる)や、NB-IoTチップ(写真右)を搭載した各モジュール注7それぞれを接続したデモが行われた。
写真15 「MT8821C」に接続され、評価されたLTE Cat.M-1モジュール(左)、NB-IoTモジュール(右)
出所 編集部撮影
表4に、LPWA〔Sigfox、LoRaWAN、eMTC(LTE Cat.M-1)、NB-IoT〕規格の主な仕様の比較を示す。
表4 LPWA〔Sigfox、LoRaWAN、eMTC(LTE Cat.M-1)、NB-IoT〕の主な仕様の比較
▼ 注1
CEATEC JAPAN 実施協議会による開催。同協議会は、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)で構成される。千葉県千葉市美浜区の幕張メッセにて開催された。
▼ 注2
GPU:Graphics Processing Unit、画像処理プロセッサ
▼ 注3
三菱電機「製造業向けFA-ITオープンプラットフォームの新提案」ニュースリリース、2017年3月6日
▼ 注4
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2016/09/jn160929-1/jn160929-1.html
▼ 注5
http://www.soumu.go.jp/main_content/000496551.pdf
▼ 注6
http://www.kccs.co.jp/release/2017/1012/
▼ 注7
いずれも、ユーブロックス(u-blox)ジャパン(本社:スイス)提供。