日本の洋上風力発電の導入状況
次に、日本の洋上風力発電の導入状況および計画を図17に示す。先行する欧州では、既設の洋上風力発電がすでに実用レベルで3,589基(2016年末)も導入されているのに対して、日本では図19に示すように、実証実験レベルで6基(2017年3月)である注21。
図17 日本の洋上風力発電の導入状況および計画
具体的には、
- 既設の洋上風力:北九州市沖1基、長崎県五島1基、福島県沖3基、千葉県銚子沖1基の計6基で、その導入量は約2万kW
- 環境アセス手続き中の洋上風力計画:430万kW
となっている。これらの計画のうち、図17に示すように、80万kW級や100万kW級の洋上風力も計画されており、今後の展開が期待されている。
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国際的に見ると、風力発電は、太陽光と並んで大容量の導入が進んでおり、主力電源化への1つとして位置付けられ始めている。
一方、四方を海に囲まれ、実用可能性が大きい日本の風力発電について、特に洋上風力発電の普及を促進することを目的に閣議決定(2018年3月9日)されていた「洋上風力発電促進法案」注22は、第196回 通常国会(2018年7月22日に終了)で、残念ながら審議未了で廃案となってしまった。
導入の面から国際的に大幅な後れをとっている日本の風力発電について、国の政策やルールを早急に整備し、日本の風力関連産業の競争力の強化と同時にコスト低減が可能な、大容量洋上風力発電の導入に向けて、喫緊な再チャレンジに期待したい。
▼ 注21
http://www.mlit.go.jp/common/001225594.pdf
▼ 注22
正式名称:「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律案」
⇒https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/energy/yojo.html
⇒https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/energy/yojo.pdf
⇒http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19605046.htm