TDK:人とコミュニケーションする盆栽「Bons-AI」
総合電子部品メーカーであるTDKは、2015年より開発を推し進めている、TDK製の技術や部品を用いて作られた「人間とコミュニケーションがとれる盆栽」〔盆栽+AI:Boms-AI(ボンス・エー・アイ)〕を出展した(写真1)。AIソフトはグーグルと共同開発されたもの。
写真1 Bons-AIの外観(左)と、Bons-AIの要求に応じてジョウロで水をあげている様子(右)。
写真右の①〜⑪に各部品の配置を示す。
出所 編集部撮影
写真2 Bons-AIを充電するワイヤレス給電コイルユニット(Qi規格)
Qi規格のワイヤレス給電コイルユニットで、Bons-AIとジョウロを充電する。
写真3 全固体リチウムイオン二次電池「CeraCharge」の外観
出所 編集部撮影
Bons-AIは、ベース部分に土壌の乾きを測定するセンサーや、移動時の傾きなどを補正するための9軸センサーやスピーカー、太陽電池などを備えている。また、「人と対話する」「日を浴びるために移動する」「土が乾くと水をねだる」という3つの機能も備え、写真1の右に示すような①〜⑪の各部品が配置されている。
具体的には、①ワイヤレス給電コイルユニット〔写真2。Bons-AIとジョウロに給電する〕、②9軸モーションセンサー、③MEMSマイクロフォン、④チップバリスタ、⑤フィルム太陽電池、⑥DC-DCコンバータ、⑦アルミで電解コンデンサ、⑧フェライトマグネット、⑨TMR角度センサー、⑩ホールスイッチ、⑪PiezoHaptアクチュエータが配置されている(写真1右)。
AIや最新の電子部品を駆使したBons-AIは、身近なテーマとあって興味を示した来場者が多かった。同ブースでは、このほか、全固体リチウムイオン二次電池「CeraCharge」(写真3)も展示し注目を集めた。
太陽誘電:全固体リチウムイオン二次電池
セラミックコンデンサをはじめ、各種電子部品の製造・開発・販売などを行っている太陽誘電(東京都中央区)は、IoT時代を迎えて「Society 5.0」を大々的にアピールした。
ブースでは、ウェアラブル・ウォッチやIoT、エネルギーハーベスティング(環境発電)用の蓄電モジュールへの応用を目指して、全固体リチウムイオン二次電池などを出展していた(写真4)。
写真4 全固体リチウムイオン二次電池の製品ラインナップ
出所 編集部撮影
全固体リチウムイオン二次電池は、電解液を使用していない固体セラミックスのため、爆発などの危険性もない。また、高い温度(数100℃)の環境で製造されるセラミックスのため、高温で過酷な使用環境でも安全に使用できる。積層数は、2017年は100層であったが、2018年は200層と大幅に増量している(写真5)。
写真5 200層まで多層化した全固体リチウムイオン二次電池
出所 編集部撮影
この固体電池は、太陽誘電の主力製品である積層セラミックコンデンサ(MLCC)の製造工程を利用して製造する。全固体リチウムイオン二次電池の製品ラインナップには、32mm×24mm、6mm角、5mm角、3216形状、1005形状などがあるが、多積層化することによって電池容量を増大できる。
蓄電容量については、例えば32mm×20mm×1mm程度のもので、蓄電容量はmAhオーダーである。また、並列に積層していくため、積層すればするほど蓄電容量は大きくなる。