日本の発電電力量:約1兆512億kWh(2018年度)
ここでは、日本の石炭火力発電の現状と、国際的な石炭火力発電の最新動向を中心に見ていく。
〔1〕化石燃料(石油・石炭)のシェアは低減へ
最初に、日本の発電電力量(kWh)の歴史的な推移を見てみよう。
図1は、日本の2018年度までの発電電力量(電源構成)の推移を示したものである。
図1 日本の発電電力量の推移(2018年度まで)
出所 経済産業省 資源エネルギー庁、『エネルギー白書2020、「第2部エネルギー動向:第1章」の155ページの【第214-1-6】発電電力量の推移の図』、2020年6月
2018年度における日本全体の発電電力量(kWh)は約1兆512億kWhであり、第1位がLNG火力38.3%、第2位が石炭火力31.6%と、化石燃料の比率が大きいが、2017年度と比べると化石燃料(石炭:前年度比4.3%減、石油:同17.2%減少)のシェアは低減してきている。
一方、図1のグラフの大きな特徴は、新エネなど(9.2%。水力発電を含まない)が、水力発電を抜いて第3位に浮上している点である。
〔2〕日本の石炭火力発電は32%から26%へ
図2は、2018年度および2030年度の日本全体の電源構成(エネルギーミックス)を示したものである。
図2 日本の電源構成(エネルギーミックス) /再エネの導入水準と目標に対する進捗率
出所 第26回電力・ガス基本政策小委員会、「資料3 非効率石炭のフェードアウト及び再エネの主力電源化に向けた送電線利用ルールの見直しの検討について」、2020年7月13日
図2の石炭火力に注目してみると、2018年度の日本の全発電量(1兆512億kWh)の中で、石炭火力発電量の比率は約32%(後出の図3参照)注4であるが、今後、エネルギー基本計画に基づいて、2030年の石炭火力発電の比率は26%程度へと低下すると予測されている。
▼ 注4
日本の全発電量1兆512億kWhのうち、石炭火力発電量が約3,300億kWh(図1下の表参照)を占めているので、3,300億kWh÷1兆512億kWh≒0.32(32%)となる。