日本気象協会:「卒FIT世帯」の余剰電力予測サービス
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区)は、卒FIT世帯注10を予測対象とした、リソースアグリゲーター注11や小売電気事業者などの余剰電力注12買取事業者向けに、「余剰電力予測サービス」を拡充し、「電力需要予測」と「余剰電力予測」の情報提供を、新しく2020年4月22日から開始している(図6)。
図6 日本気象協会の「卒FIT 世帯の余剰電力予測サービス」の全体イメージ
これは、同協会が2019年11月から提供している「太陽光発電出力予測」注13に加えて、新たにサービスを拡充したもの。
表2に示すように、同サービスは、30分ごとの「太陽光発電出力」「電力需要量」「余剰電力量」を電力エリアまたは都道府県単位で、最大78時間先まで予測できる。
表2 余剰電力予測サービスの内容
※「お客様契約情報」を提供して、電力エリア・都道府県ごとの総量を算出することも可能。
出所 気象協会のニュースリリースより
また、平均的な家庭1軒あたり(または太陽光発電設備の設備容量1kWあたり)の予測情報として提供され、予測対象規模(買取件数)が増減した場合でも、任意の設定変更が可能となる。この予測情報は、インターネット回線を通じて1日48回、30分ごとに配信される。
新しい「余剰電力予測サービス」は、日本気象協会がすでに提供中の「プライス予測(電力取引価格予測)」や、「電力エリアの太陽光発電出力予測(エリアPV予測)」などと合わせて、余剰電力買取事業者の調達や販売計画の策定に活用でき、加えてCO2排出量削減にも貢献できる。
▼ 注10
卒FIT世帯:太陽光発電のFIT制度(固定価格買取制度)による10年の調達期間が終了する世帯。
▼ 注11
リソースアグリゲーター:需要家が保有する太陽光発電や蓄電池などの複数のエネルギーリソースを集約し、これをを活用したさまざまなサービスを提供する事業者。
▼ 注12
余剰電力:家庭などに設置した太陽光パネルが発電した電力から、自家消費分の電力を差し引いた余った電力のこと。
▼ 注13
日本気象協会の独自気象モデルによる高精度な日射量・太陽光発電出力予測サービス「SYNFOS-solar」を活用。