5Gショーケースの実証環境と活用事例
― 実環境を再現した「5Gショーケース」でオープンな検証環境を提供! ―5Gショーケースの実証環境と活用事例
〔1〕5G端末/基地局から5Gコアまでを完備
図4は、シスコの5Gショーケース実証環境の一部を示した構成図である。
図4 シスコ5Gショーケースの実証環境の構成図(一部)
出所 シスコシステムズ合同会社、「シスコ 5Gショーケース記者説明会」、2020年11月12日
同ショーケースは、5G端末から基地局、データセンター(エッジDC、センターDC)、各種オーケストレーション(自動化)、5Gコアまで、企業ネットワークからサービスプロバイダーに至るまでの実際の設備を、省略せずにすべて用意して構成している。これが、通常のショーケースと異なっている点である。
このため、同ショーケースには、デバイスやソリューション、あるいはユースケースをもち込んで課題解決に向けて取り組むことができる。
〔2〕5Gショーケースの活用事例
図5に、5Gショーケースの活用事例を紹介する。
図5 シスコの5Gショーケースの活用例
プロビジョニング:ユーザーがどのアプリケーションにアクセスできるか、ユーザーがどのレベルの情報までアクセスができるかなどを規定すること
UPF:User Plane Function、ユーザーデータの送信や受信の処理機能(モバイルUPFは、モバイル環境のUPFのこと)
出所 シスコシステムズ合同会社、「シスコ 5Gショーケース記者説明会」、2020年11月12日
日本では、現在、スマート工場などのクリティカルなIoTシステムのインフラとして、またセキュアで低遅延のエッジコンピューティング基盤として、ローカル5Gへの関心が高まっている。
そこで、「工場のロボット制御を無線で行いたい」「Wi-Fiではなく信頼性の高いローカル5Gを使いたい」とすると、要件がロボットなので低遅延通信が重要となるため、エンドユーザーの地理的に近い位置に、ユーザーデータの送受信処理を行うモバイルコア・ユーザープレーン機能(モバイルUPF)を配置する必要がある。
この際には、
- 分散配置するには、その間をセキュアにしなければならない
- システムインテグレーションの膨大なコストをできるだけ自動化(オーケストレーション)したい
- アプリケーションの性能を可視化したい
などの要求がでてくる。
吉田氏は、「5Gショーケースでは、通信事業者の設備と企業インフラ設備の両方を組み合わせたアーキテクチャのレプリカに近い構成を実現しています。この設備にさまざまなアプリケーション/ソフトウェア/デバイスなどを接続して検証することで、実際の5G環境における可能性や課題などを具体的に抽出することができます。今後、順次、ソリューションやデモをショーケースに追加して、製造業・公共・エネルギー分野などの業界個別のユースケースなどを各パートナー企業様・お客様と検討し、5G時代を支えるアーキテクチャとソリューションなどを提案していきたい」と語る。
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