[特別レポート]

九州エリアで「タフな地域コミュニティ」を目指すリフェコのVPPビジネス戦略

― 再エネ7,400件/サービスゲートウェイも開発へ ―
2021/05/02
(日)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

「タフな地域コミュニティ」の事例

 VPP構築実証事業などを通した知見から、九州エリアでどのようなVPPビジネス、すなわち「タフな地域コミュニティ」が実現可能になるのだろうか。次に、想定される事例を見てみよう。

〔1〕タフな地域コミュニティの例①:住宅街におけるVPPの例

 図6は、リフェコが現在推進している住宅街における、VPPのイメージ例である。

図6 タフな地域コミュニティの例①:住宅街におけるVPP

図6 タフな地域コミュニティの例①:住宅街におけるVPP

出所 リフェコ株式会社、「タフな地域コミュニティ」につながるVPP実証事業、2021年4月

 需要家が個別にPVと蓄電池、EVを所有する場合も考えられるが、現在は、家庭用蓄電池がEVと同等の電力容量が必要となるとすると、家庭用蓄電池の購入価格が高くなるため、ハウスメーカーが分譲地をつくる際にその地域コミュニティの中心部に、産業用途でのBCP対策で導入されている、容量の大きい蓄電池を設置して共有(シェアリング)できるようにする。あるいは、図6は、その蓄電池をEVによるカーシェアリングで行うことも想定できる、マイクログリッド的な利用環境でもある。

〔2〕タフな地域コミュニティの例②:公共施設におけるVPPの例

 図7は公共施設の例である。公共であるため再エネ化を推進したり、公用車にEVを導入したりする。さらに、物流の拠点なども設けて、EVでそのエリア内の配送を一括管理するなどしてCO2を削減していく。

図7 タフな地域コミュニティの例②:公共施設におけるVPP

図7 タフな地域コミュニティの例②:公共施設におけるVPP

出所 リフェコ株式会社、「タフな地域コミュニティ」につながるVPP 実証事業、2021年4月

 また、太陽光発電だけでなく、図8に示すように、地域電力会社と協力して、海岸沿いの自治体では風力発電、山岳地域の自治体では水力発電、また別府や大分などの火山帯・温泉地域では地熱発電、森林の多い佐賀のような地域ではバイオマス発電などというように、多様な再エネの導入をしていく。

図8 再エネ電源の多様化と地域電力会社との連携

図8 再エネ電源の多様化と地域電力会社との連携

出所 リフェコ株式会社、「タフな地域コミュニティ」につながるVPP実証事業、2021年4月

VPPビジネスを全国展開へ

 VPPで「タフな地域コミュニティ」を創造するには、地元のハウスメーカーや自動車のディーラーをはじめ、再エネ機器メーカー、家電機器メーカー、電力会社、通信事業者、IoTメーカー、自治体などの協力、すなわち、「SDGs17(目標17)のパートナーシップで目標を達成しよう」というゴールが重要となる。

 辻氏は、「富士山の頂上を目指して、引き続き九州エリアで地道にVPPの素(リソース)を増やし、そのリソースをSGWでつないでいきます。つながったリソースに対して新しいサービスを提供し、多くの分野の方々との協業によってリソースを拡大していきたい。そして協業によって提供できるサービスを増やしていきます」と述べ、今後のVPPビジネスについて、「1歩1歩着実にビジネスを進め、最終的には全国展開を目指す」と締めくくった。

 リフェコのVPPビジネスへの取り組みは、再エネの主力電源化時代を迎えている今、注目したい。

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