表1 RE100のプロフィール
出所 https://www.there100.org/ およびhttps://saiene.jp/ 等をもとに編集部で作成
RE100とは:日本からは65社が参加
RE100は、図1に示すように、世界の2,777社が参加するWMB連合注1のもとに、TCG(The Climate Group)がCDP注2とのパートナーシップのもとで主催している。現在、RE100には世界350社が参加しているが、そのうち日本からは65社が参加している。
図1 WMB(We Mean Business)連合におけるRE100の位置づけ
出所 以下のサイトをもとに編集部で作成、
https://www.wemeanbusinesscoalition.org/business/
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/files/WMB_20210810.pdf
日本では、2017年4月からJCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)がRE100などの地域パートナーとして、日本企業のRE100への参加を支援している。
RE100年次レポートの概要
図2 RE100の最新版レポートの表紙[2022年1月発行、全46ページ]
出所 https://www.there100.org/sites/re100/files/2022-01/RE100%202021%20Annual%20Disclosure%20Report.pdf
RE100は、自らのイニシアチブの進捗状況などを報告するために年次レポート“RE100 annual disclosure report 2021”(RE100年次情報公開報告書2021)を公開している。
RE100のWebサイトでの発行物のリスト注3を確認すると、本稿執筆時点では2018年以降、毎年、年次レポートが発行されていることがわかる。
最新の2021年版のレポート(図2)は“Stepping Up: RE100 gathers speed in challenging markets”注4(進む導入:困難な市場におけるRE100の躍進、編集部試訳)というタイトルで、2022年1月11日に公開された注5。
年次レポートのまえがきは「電力をほぼ完全に脱炭素化しなければ、2050年までに排出量の実質ゼロ(ネットゼロ)は達成できない」という言葉から始まっており、企業が再エネを活用することが、今後の気候変動対策において非常に重要であることを強調している。
RE100参加企業の再エネ導入状況
今回の年次レポートでは、RE100に加盟する349社(年次レポート発行当時の数)のうち、自社の取り組みを報告した315社の2020年の実績をもとにしているが、メンバー企業の電力利用量とその内に占める再エネの割合の推移は、図3のとおりとなっている。
図3 RE100メンバーの再エネへの取り組み状況
直近の2020年のデータを見ると、実績を報告したRE100メンバー315社の年間の電力消費量は、340TWh(テラワットアワー。テラワットは1012W)にまで増えている。これは、世界で12番目に電力消費量が多い国である英国の年間消費量を上回る量だとしている。この消費量のうち152TWhが、再エネでまかなわれた。これは全体の電力消費量の約半分に近い、45%となっている。
▼ 注1
WMB連合:We Mean Business Coalition、2014年設立。地球の温暖化を1.5℃に抑えるため、2030年までに排出量を半減させてネットゼロ社会の構築を目指す国際企業連合。企業や投資家の地球温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO(非政府組織)など7つのパートナーが構成機関となって運営している(図1の下表参照)。
▼ 注2
CDP:2000年に発足した英国に本部を置く国際NGO。投資家向けに企業の環境情報開示の提供を行う。日本では2005年から活動を開始。
▼ 注4
Stepping Up: RE100 gathers speed in challenging markets | RE100