[標準化動向]

802.16(BWA)の標準化動向(2):WiMAX環境におけるMMR(マルチホップ・リレー)の利用モデル

WiMAX環境における MMR(マルチホップ・リレー)の利用モデルを審議
2006/08/28
(月)
SmartGridニューズレター編集部

802.16-2004や802.16eなどの標準規格を制定した802.16WG(ワーキング・グループ)は、新しい段階を迎えている。802.16-2004規格に準拠したシステムは固定WiMAXといわれ、802.16e に準拠したシステムはモバイルWiMAXとして広く知られている。今回は、2006年7月に米国サン・ディエゴで開かれた第44回会合で審議された、WiMAX環境におけるMMR(マルチホップ・リレー)の利用モデルを中心にレポートする。

 

IEEE 802.16 第44回会合

2006年7月17〜20日の4日間、米国サン・ディエゴで、IEEE 802.16第44回会合が開催され、802.16ワーキング・グループ(WG)内の各タスク・グループ(以下、TG)で議論が進められた。

802.16(WiMAX)のMMR(モバイル・マルチホップ・リレー)技術を扱うリレー(Relay、中継)TG(802.16 TGj)は、第42回会合(米国デンバー、2006年3月)において、802.16 WG内のTGとして発足が承認され、前回の第43回会合(イスラエル・テルアビブ、2006年5月)から、MMRに関する議論が開始された。

MMRの議論の開始にあたって、前回の会合では、次の項目に関して寄書の募集が行われ、項目ごとの統合文書案が作成された(一部項目を除く)。

今回の会合では、その統合文書案に対するコメント(意見)、および寄書募集(募集文書は、IEEE 802.16j-006/006)が行われ、それに対して合計40件の寄書が提出されたため、これらの審議を中心に会合が進められた。寄書内訳は、次のとおりである([ ]の数字は文書数)。

(1)利用シナリオ(Usage scenario) [3]

(2)用語定義(Terminology) [5]

(3)評価手法(Evaluation methodology) [21]

  1. チャネル・モデル(Channel Model)
  2. トラフィック・モデル(Traffic Model)
  3. 評価値(Performance Metrics)

(4)技術要求条件(Technical Requirements) [11]

今回の会合では、審議の出力(すべてが最終結果の文書でないため出力と表現する)として、C802.16j-06_043r3(利用シナリオ)、C802.16j-06_041r2(用語定義)、C802.16j-06-040r1(評価手法)、C802.16j-06_050r4(技術要求条件)、の文書がまとめられた。

このうちMMRの利用シナリオと用語定義の文書については最終版として、評価手法、技術要求条件については、次回会合において追加コメント(意見)を反映させていくこと予定している。

前回の会合時点でのスケジュールによると、今会合でまとめられた文書をガイドラインとして、次回の第45回会合(9月)に向けて技術提案(Technical Proposal)を募集する予定であった。しかし、次回会合で各文書に対するコメントの募集、およびToC(Table of Contents、目次案)についての議論を完了させることを優先させ、技術提案の募集は、次々回の第46回会合(11月)以降にすることとなった。

このレポートでは、今会合で取りまとめられた文書のうち、今後の技術提案に関わりが大きい、利用シナリオと技術的要求条件について解説する。

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