「oneM2M」の設立に最も影響を与えたETSIのTC M2M
ETSI以外にも、ITU-Tをはじめいろいろな標準機関がM2Mに取り組んでいるが、表3に「oneM2M」の設立に最も影響を与えた、ETSIのTC M2Mの設立と標準化の内容を示す。日本からもNECやKDDIなどが参加しているTC M2M(Machine to Machine)は、2009年2月にETSI内に設置されて以来、標準化はかなり進展している。
すでに2011年8月から2012年2月にかけて、「ETSI M2M Release 1 TechnicalSpecifications」、すなわちM2Mリリース1が公表されている。さらに、新たに設立されたoneM2Mの技術的検討が開始する2012年12月から2013年2月頃を目途にリリース2が完成し、oneM2Mに移行する予定となっている。
それでは、このoneM2Mが設立されたことによって、他のM2Mに関する標準化組織はどうなるのだろうか。
oneM2M以外の他のM2Mに関する標準化組織は引き続き活発に活動を展開しているが、M2Mの世界は現在、まさに群雄割拠の状況となっている。すなわち、oneM2Mが設立されたからといって、それですべてが終わったわけではなく、oneM2Mという各国の7つのSDOの集まり以外にも、ITU-Tでは、FG
M2Mと称するグループがe-Healthに特化しながらM2Mに関して引き続き活動している。
また、基本的には7つの各SDOにおいてもETSIのTC M2Mのほか、米国のTIAのTR50をはじめ、韓国のTTAや中国のCCSA、日本のTTCなどにおいても、M2Mに関する取り組みは活発化している。
それらは今後も引き続き並立しながら、ある程度まとまっていくと考えられる。つまり、どこかの時点である組織が強くなり、全体を吸収していくということがあり得るのだ。そのような動きの背景を理解するためには、
(1)世界共通のビジネスの流れ
(2)各地域あるいは各国が目指すもの(期待するもの)
の2 つに分けて考える必要がある。具体的には、表4に示すように、全世界共通の可能性と、欧州、米国、日本・中国・韓国など地域的・国家的な戦略が背景にあることもとらえておくことが重要だ。