[視点]

スマートグリッドとは? その新しい展開

─進化・発展し第2フェーズを迎える─
2012/11/01
(木)
三橋 昭和 SmartGridニューズレター編集部

電力システムと情報通信技術(ICT)の連携によって実現されるスマートグリッド(次世代電力網)とは何か。ここでは、急速に注目され期待が高まっているスマートグリッドについて、まず日本でどのように先進的な研究が進められてきたのかを紹介する。次に、なぜ米国から「ブームの火の手が上がったか」を紹介し、具体例を挙げながらスマートグリッドの仕組みについて解説する。さらに、実用化に向けて第2 フェーズを迎えているスマートグリッドの最新動向も紹介する。

スマートグリッド登場の背景

地球の温暖化・異常気象の原因ともいわれているCO2排出量の削減は、待ったなしの状態を迎えている。さらに、産業の発展と地球人口の増大(70億人)に伴う電力・エネルギー危機対策と、その安定供給は人類共通の大きな課題となっている。こうしたなかで、これらの課題を解決する可能性をもって登場したスマートグリッドへの期待が高まっている。同時に産業側からは、新しいビジネスや雇用の創出の側面から、スマートグリッドへの期待が高まっている(図1左)。

まだ記憶に新しいが、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後は、福島原発などの事故によって東京電力管内では300万軒近くが停電となり、東京電力管内において計画停電も実施された。さらに政府は、東京電力と東北電力管内に一律15%節電する方針を打ち出した。

このとき、多くの人々は被災地の早期復興を願う一方、家庭の冷蔵庫の魚や肉などが腐らないか心配し、地域の病院などの患者のことを思いやる日々となり、企業は存亡の危機に遭遇することとなった。そのようななか、一律の停電でなく、例えば「冷蔵庫だけでも」「病院だけでも」という願いは、多くの人々の期待であった。この期待を実現することこそがスマートグリッドが目指す方向なのである。

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