[スペシャルインタビュー]

東京電力のスマートメーター「入札延期」の真相とオープン化・国際標準化への新戦略 ─前編─

2012/11/01
(木)

オープン化時代を迎え国際連携が進むスマートメーター業界

─大枠の流れがよく理解できました。

浅見このようにオープンな時代を迎えましたが、すでにスマートメーター関連について、
(1)富士電機は、米国GE(ゼネラルエレクトリック)との合弁会社「GE富士電機メーター(株)」を設立(2011年2月)
(2)NECは、イタリア大手電力会社「ENEL SpA」の関連会社で、スマートメーターやAMI関連の先進企業であるENEL注8と戦略的提携に合意(2011年4月)
(3)東芝は、スマートメーターの最大手であるスイスのLandis+Gry(ランディス・ギア)を買収(2011年7月完了)
(4)日立製作所は、AMI(スマートメーター基盤) のリーダー的企業である米国Silver Spring Networks(シルバースプリングネットワークス)社と戦略的に提携(2012年2月)
というように、欧米と日本の企業の連携が進んでいる面もあります。
 今後はこれらの企業のほかに、市場でトップシェアをもつ米国Itron(アイトロン)をはじめ、ドイツElster(エルスター)、米国Sensus(センサス)や日本の関連メーカーも入札に参加するかもしれません。
 このようななかで、すでに東電で策定されたスマートメーターの仕様について、損害賠償支援機構から、いろいろな視点で再検討することが求められました。
 まず、スマートメーターの値段を最小価格にして調達するという点です。ある仕様を決めた際に、その仕様の範囲内でしかも最低価格で調達するというシナリオは、合理化のうえからも絶対必要条件でもあるのです。これは逆に言えば、オープンな仕様で、競争的な環境でないと、最低価格で調達することはできないという意味でもあります。さらに、今後の東電の事業を考えると、スマートメーターの仕様が拡張性を備えていないと困るわけです。そこで、どこまでの拡張性を認めるのかについては、いろいろと議論されてきました。

─東電のスマートメーターの値段は、当初、欧米の1万円程度に対して、2〜3倍の2〜3万円程度になるのではないかなど、かなり割高になると言われていましたが。

浅見たしかにそのような報道がされたこともありますが、オープン化と国際標準規格の採用によって、国際競争力のある価格になっていくと思います。


▼ 注8
エネル。正式にはENEL Distribuzione社。

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