[特集]

― グリーンファイナンス推進機構 代表理事 末吉竹二郎氏に聞く! ―歴史的なパラダイムの大転換! COP21の「パリ協定」 グリーンビジネス/グリーン産業時代へ突入

2015/12/26
(土)
SmartGridニューズレター編集部

2015年11月30日〜12月12日、フランス・パリで開催されたCOP21注1(気候変動枠組条約第21回締約国会議)は、京都議定書以来の、米中および発展途上国を含む196の国と地域が全会一致で温室効果ガスの削減に取り組む、新たな国際的な枠組みである「パリ協定」を採択した。これは、エネルギー分野における歴史的なパラダイムの大転換であり、今後、世界のすべての企業は「低炭素化」を基本にしたビジネスを展開しなければならない時代を迎えた。
新春に当たって、グリーンファイナンス推進機構 代表理事 末吉竹二郎氏に、COP21の意義とグリーン経済に向かう世界の動向をお聞きした。

2015年は地球温暖化問題とエネルギーに関して歴史的意義のあった年

Takejiro Sueyoshi

─編集部:地球温暖化とエネルギー問題は切っても切れない関係だと思いますが、2015年はどのような年だったでしょう。

末吉:私は、2015年という年が第二次世界大戦後の最も重要な年だったという歴史認識が生まれると思っています。理由は2つあって、1つは国連で採択されたSDGs注2(持続可能な開発目標)、もう1つはCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)です。

 SDGsは「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」で、17の目標と169のターゲットを設定しています。本当は何百とあった目標を絞りに絞って17にしたそうですが、それでも多様な分野に及んでいます。

 これまでは2000年に採択されたMDGs(ミレニアム開発目標)があり、これは特に貧困への取り組み、女性の権利や地位の引き上げ、義務教育を世界に広めるなど、世界の弱い立場の人を引き上げていこうというものでした。目標達成の道半ばで、2015年という期限を迎えました。そこで、MDGsを引き継ぎながら次の15年をどうするかという議論をし、その成果としてミレニアムの代わりにサスティナブルが入ってSDGsになったわけです。

─編集部:SDGsの意義や、世界への影響はどうなるでしょうか。

末吉:この地球社会を経営する際の判断基準となるものだと認識しています。これからはビジネスも、国や市民社会も、このSDGsに反するようなことはできなくなる。たとえば、世界が貧困の撲滅に向かおうとしているのに貧困層のためのビジネスを無視することはできないでしょう。

 特にSDGsでは、エネルギー、気候変動、平和社会といった地球規模の難しい課題が新たに設定されています。社会やビジネスの方向性も変革を求められるでしょう。


▼ 注1
The 21st Conference of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change 、気候変動枠組条約第21回締約国会議。2015年11月30日〜12月12日にフランス・パリで開催された。

▼ 注2
SDGs:Sustainable Deve-lopment Goals、「〜我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ〜」。ニューヨークの国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」(2015年9月25〜27日)において採択された開発目標。

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