[特集]

― グリーンファイナンス推進機構 代表理事 末吉竹二郎氏に聞く! ―歴史的なパラダイムの大転換! COP21の「パリ協定」 グリーンビジネス/グリーン産業時代へ突入

2015/12/26
(土)
SmartGridニューズレター編集部

カーボンプライシング:最も安価で効率的なCO2削減手法

─編集部:アジア開発銀行や世界銀行もグリーン経済に目を向けているようです。

末吉:世界銀行はカーボンプライシング(炭素価格付け)制度の推進者ですからね。カーボンプライシングはこれから本当に本格的に始まると思います。

 アジアでは、2015年1月17日に韓国で始まっています。中国でも試験導入がされているのですが、中国は2017年までに全国的にキャップ&トレード(排出権取引)を入れると公言しています。

 しかし、残念ながら日本ではあまり議論が進んでいるとは言えません。いま世界40カ国に、ナショナルレベル、あるいはサブナショナルレベルでキャップ&トレード制度があるですが、幸い日本は東京都が行っているのでその数の中に入っています。

─編集部:カーボンプライシングに最も期待できる点はどこでしょう。

末吉:世界では、炭素に価格を付けることが最も経済的に安価で効率の高いCO2削減策手法であるという認識が広まっています。これは企業サイドも受け入れています。石油メジャーである英国のBP(ビーピー)注12もOKだと言っています。

 カーボンタックスも排出権取引のいずれもCO2に値段を付けることで、排出量を抑制させたり、あるいは、抑制する企業や技術に投資が行われやすくなったりしますね。カーボンプライシングが、企業にとっても重要な設備投資判断/資本支出判断にて欠かせない要件になってきたということです。

 ぜひ、カーボンプライシングの時代が始まったことも注目しておいてください。これはエネルギーにものすごいインパクトを与えますから。

─編集部:ありがとうございました。

◎Profile

末吉 竹二郎(すえよし たけじろう)

末吉 竹二郎(すえよし たけじろう)

一般社団法人 グリーンファイナンス推進機構 代表理事
〔国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問〕

鹿児島県生まれ。
1967年東京大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。
1989年より米州本部に勤務。ニューヨーク支店長、取締役、東京三菱銀行信託会社(ニューヨーク)頭取を経て、1998年6月、日興アセットマネジメント副社長。
2003年7月に国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEPFI)特別顧問、2013年5月に一般社団法人グリーンファイナンス推進機構 代表理事に就任し、現在に至る。


▼ 注12
世界最大級のエネルギーグループ企業。探鉱・開発から小売部門、また石油・天然ガスからバイオ燃料などの新エネルギーまで幅広く手がける。ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、ロシアなどを主な活動拠点としている。
石油メジャーとは、石油の探鉱から生産、輸送、精製、販売までの全段階を垂直統合で行い、シェアの大部分を寡占する石油系巨大企業複合体の総称。

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