[「日本卸電力取引所」の役割と課題]

新電力ベンチャー登場時代の「日本卸電力取引所」の役割と課題≪第2回≫

─「新電力」のバランスをとったビジネス展開─
2014/08/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部
 
 
 

4. 日本卸電力取引所(JEPX)と電力自由化の推移

図5に、JEPXの歴史を示す。同取引所は、2005年の4月1日から取引を開始しており、現在ほぼ10年が経過している。
 
日本の電力事業の歴史を見ると、戦後、沖縄を除く電力事業再編(1951年)によって国内を9つのエリアに分割し、それぞれのエリア(地域)で民間の電力会社が一括して発送配電を行ってきた。しかし、90年代初頭の大不況の際に電気料金の低減化が望まれたことから、競争原理を導入することが求められ、1995年から新たな発電事業者(IPP)注5が電力市場へ参入が許可される、すなわち一部電力の自由化が開始された。
 
さらに、現在の電力システム改革の目玉である「広域的運営推進機関」を、2015年をめどに設立〔改正電気事業法(2013年11月可決。第185国会)〕することに続いて、第2段の改革として2016年から「電力小売参入の全面自由化」(2014年6月可決。第186国会)することが決定された。

◆図5 出所
 
 
▼注5
IPP:Independent PowerProducer、独立系発電事業者。発電だけを行って電力会社に卸売り販売をする(小売はしない)独立系の事業者。例えば、JX 日鉱日石エネルギー、新日鐵住金、昭和電工などがある。
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