[「日本卸電力取引所」の役割と課題]

新電力ベンチャー登場時代の「日本卸電力取引所」の役割と課題≪第2回≫

─「新電力」のバランスをとったビジネス展開─
2014/08/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

6. スポット市場で具体的に何をやっているか

ここで、第1回の記事で紹介したスポット市場について、具体的な内容を図7に示す。
 
スポット市場では、1日を30分(0.5時間)単位に区切った48商品(=24時間÷0.5時間)の取引が行われている。その入札単位は「1MW」(電力量換算では30分単位のため500kWhとなる)となっている。
 
図7右下に横軸に電気の取引価格、縦軸に取引する電力量を示す「赤(買いの曲線)と青(売りの曲線)のグラフ」を示す。翌日の24時間分を30分ごとに取引するので、このカーブを毎日48個つくることになる。
例えば、買い入札を「30円、25円、20円」というように、価格の高い順に並べる。一方、売り入札は、「3円、5円、15円」と価格の低い順に並べ、各価格毎の入札量を入力する。
 
例えばA社は5円で10kWの売り、B社は13円で20万kWの買いというように順次並べていく。その結果、買いと売りの曲線が交差した点で、取引する電気の価格と量(図7に示す「約定価格・量」)が決まる。このようにすると、発電コストが安い順に発電所が稼働することになるため、国民経済的にも最適な発電所の稼働状況が実現する。

◆図6 出所
〔「卸電力取引所について」、日本卸電力取引所〕
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