エッジの開発体制の実施体制
〔1〕4つのターゲットとその課題
実証事業の開発ターゲットとなるエッジコンピューティングシステムの技術開発のテーマとその実施体制を図3と図4に示す。
図3 エッジコンピュ-ティングシステムに関する技術開発の実施体制
出所 環境省平成30年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業:【5G基地局を構成要素とする広域分散エッジシステム の抜本的省エネに関する技術開発】
図4 開発のターゲットとなるエッジコンピューティングシステム
出所 環境省平成30年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業:【5G基地局を構成要素とする広域分散エッジシステムの抜本的省エネに関する技術開発】
中央集権的なクラウドには、アマゾンやグーグル、フェイスブックなどを活用するとして、今回の実証事業のターゲットは、次の4つの課題である。
<課題A1> 広域分散エッジコンピュ-ティングシステムの連携技術の開発
<課題A2> 5G基地局の省エネとネットワーク連携技術の開発
<課題A3> 通信システムの省エネ技術の開発
<課題A4> シミュレーションと設計技術の開発
この4つの切り口(課題)からエッジシステムの省エネの実現を目指す。
図3に示すように、通信ネットワーク技術の開発と運用に実績のあるNTT西日本を技術開発代表者とし、基地局の開発・製造ベンダである富士通を共同実施者、そしてAIによる最適化で実績のあるEEC総研(Energy Efficient Cloud Research Institute)を受託メンバーとして、技術開発が実施されている。受託メンバー以外にも、多くのノウハウや事業化で協力できるデータセンターイノベーションコンソーシアムのメンバーや、環境省オープンイノベーションコンソーシアムによって、開発とその後の事業化についても連携して進める計画となっている。
〔2〕エッジとクラウドの役割分担
このようなエッジコンピューティングによって、次のようなことを実現する。
- データを遠方で処理するのではなく身近なエッジで処理し、処理の遅延を小さくし、時間を短縮する。
- 通信経路を短縮して途中でサイバー攻撃にあう機会を小さくしてセキュリティを強化する。
- データはなるべくエッジ側で処理して、統計処理したデータだけをクラウド側に上げて格納する。