[RE100加盟企業に聞く!]

大和ハウスグループの環境負荷(CO2)ゼロへの挑戦

─ 船橋市で日本初の「再エネ100%のまちづくり」を開始 ─
2019/11/01
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

なぜ「SBT、EP100、RE100」に加盟したのか

Houzou Sonoda

〔1〕海外事業の拡大が重要な経営課題に

―編集部 御社が今後のビジネスを展開するうえで綿密な分析をされながら、脱炭素化を目指していることがよくわかりました。ところで、なぜ、「SBT」(2018年8月認定)と「EP100」、「RE100」(2018年3月加盟)の3つのイニシアティブに加盟したのでしょうか?

山本 当初は、SBT(温室効果ガス排出量削減)をやるぞということだけを指示されていたのですが、ドイツのボンで開催されたCOP23(2017年11月6日〜11月17日)に参加し、ザ・クライメイト・グループの話などを聞いた環境部長の小山勝弘が帰国して、EP100とRE100の両方に同時に加盟する方針を立てました。今後は、EP100で徹底的に省エネを図り、どうしても省エネしきれなかったエネルギーを、RE100で再エネに転換し脱炭素を実現する考えです。

 また、「SBT」と「EP100」、「RE100」という3つのイニシアティブに、同時加盟をしたのは世界の住宅・建設業界で当社が初めてですが、目的はいくつかあります。

 1つは、海外事業の拡大に貢献するためです。創業者の夢「創業100周年を迎える2055年に10兆円」を実現するためには、現在の売上高を約2.5倍に拡大していかないといけません。それには、海外事業の拡大が非常に重要な経営課題となっています。

〔2〕脱炭素はすでに世界の常識

―編集部 Apple(アップル)のように、脱炭素の動きについていけないサプライヤーとは取引できないと明言する企業もありますしね。

山本 その通りです。RE100に加盟している企業の動きを見ると、脱炭素はすでに世界の常識になっています。これから、海外事業を拡大していくためには、脱炭素に関するイニシアティブ(国際連合)に参画して、真摯に取り組みを進めているということが、国際ビジネス上のパスポートです。

 また、ビジネスパートナーとしての国際的な信用力を高めることも加盟の目的となっています。さらに、SBTへのコミットメントは、ESG評価の重要なポイントになっていて、投資を呼び込む契機にもなります。

 大和ハウスグループが、脱炭素に取り組んでいることを発信することで、省エネ・再エネ技術をもっている企業から、さまざまな提案をいただくことができます。そういう意味では、オープン・イノベーションなどで新たなビジネスの可能性を拡げることも目的としています。

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