[スペシャルインタビュー]

NTTアノードエナジー 取締役 谷口 裕昭 氏に聞く!電力サービスへ本格参入するNTTアノードエナジーの事業戦略

― 再エネを加速させ、エネルギー価値を高める新事業への取り組み ―
2020/01/06
(月)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

NTTグループのスマートエネルギーを推進する統括会社として、2019年6月3日、NTTアノードエナジー株式会社(以下、NTTアノードエナジー)が設立された。同社は同年9月10日に事業を開始し、11月12日に2025年までの中期ビジョンを公表した。
2025年までに売上規模を5事業で6,000億円、分散エネルギー基盤への投資額を6,000億円としている。再エネ電源を促進しつつ、特に蓄電池をベースにした「バックアップ電源事業」「VPP(仮想発電所)事業」は、同社のビジネスの中心的な役割を果たすものとして、レジリエンス(対災害)性の高いサービスの構想を打ち出している。
日本の電力市場は今、脱炭素化への転換、電力は集中型から分散型へ、レジリエンス性への対応が求められるなど、大きな変革期を迎えている。ここでは、NTTアノードエナジー 取締役 経営企画部長 兼 スマートエネルギー事業部 パートナー開発部門長の谷口 裕昭(たにぐち ひろあき)氏に、同社の2025年に向けた事業戦略をお聞きした。

情報通信のNTTグループがエネルギー事業統括会社「NTTアノードエナジー」を設立

〔1〕アノードという名前の由来

―編集部 2019年6月3日に設立されたNTTアノードエナジー(表1)という社名ははどのようにして命名されたのでしょうか。

表1 NTTアノードエナジーのプロフィール(敬称略)

表1 NTTアノードエナジーのプロフィール(敬称略)

出所 https://www.ntt-ae.co.jp/company/

谷口 アノードエナジーの「アノード」(Anode)注1は陽極という用語で、電子が集まってくるという意味です。一方で上り口という意味も含まれていますので、「周りの皆さんと一緒に(何かを)目指していける1つの上り口になっていきたい」という願いも込められています。

 これからのスマートエネルギーのカギとなるのは「電池」なので、電池にまつわるキーワードを加えたいと、関連するいくつかの案から「アノード」を選択しました。

〔2〕NTTアノードエナジーの事業体制

―編集部 NTTアノードエナジーの事業体制について聞かせて下さい。

谷口 図1に示すように、エネット、NTTスマイルエネジーが弊社の子会社です。また、NTTの中でエネルギー事業を営んできたNTTファシリティーズは街づくり事業の推進を目的に、NTT都市開発とともにNTTアーバンソリューションズの傘下に入っています。街づくりの中でエネルギーは非常に関係が深いので、NTTアノードエナジーのエネルギーに関わる商材を、NTTアーバンソリューションズを通じて、お客様に提供することになります。

図1 スマートエネルギー事業の推進体制

図1 スマートエネルギー事業の推進体制

TNクロス株式会社:日本電信電話と東京電力ホールディングス株式会社の合弁会社で、2018年7月に設立。出資比率はそれぞれ50%。
出所 NTTアノードエナジー提供資料より

 もう1つ、NTTファシリティーズの中には、エネルギーに関する営業/販売チャネルの側面と電力のエンジニアリングの機能が全国にありますので、例えば、NTTアノードエナジーが提供するサービスにエンジニアリングが必要な場合には、NTTファシリティーズがバックアップするという仕組みになっています。


▼ 注1
「アノード」(Anode):陽極のこと。ファラデーによって命名され、ギリシャ語で上り口を意味する‘anodos’に由来。アノードの対極の負極は、カソード(Cathode。ドイツ語でKathode)と言われ、ギリシャ語で下り口を意味する‘cathodos’に由来する。

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