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3GPPリリース16完成!本命の「5Gコアネットワーク」が離陸へ<前編>

― 動き出した5GAA(C-V2X)・5G-ACIA(NPN)・5G-MAG(放送) ―
2020/12/10
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

【MRP 事例1】5GAAのセルラーV2X(C-V2X)

〔1〕V2X(V2V/V2I/V2P/V2N)をベースに5GAAが設立

 図5は、ITS情報通信システム推進会議(ITSフォーラム)が公開した、4G(LTE)や5G(NR)を利用して行うV2X(セルラーV2X)の全体構成図である。通信の観点から、クルマを端末デバイスとし、別の機能をもついろいろな端末デバイス(スマートフォン、交通信号機、路側機等)と通信するために各種インタフェースが規定されている。

図5 セルラーV2Xの全体構成

図5 セルラーV2Xの全体構成

C-V2X:Cellular-Vehicle-to-Everything。X(Everything)には、下記のようなものがある
・V2V:Vehicle-to-Vehicle、クルマ間通信 ・V2P:Vehicle-to-Pedestrian、クルマと歩行者間通信 
・V2I:Vehicle-to-Infrastructure、クルマとインフラ間通信 
・V2N:Vehicle-to-Network、クルマとインターネット接続
Uu:V2N通信に使用される基地局を介する広域無線通信仕様(無線インタフェース)
PC5:V2V/V2I/V2P通信に使用される基地局を介さない狭域無線通信仕様(無線インタフェース)
出所 ITSフォーラム、「セルラー通信技術を使用したITS・自動運転の高度化に向けた課題調査報告書」、2019年9月

 これによって、例えば、図5に示すV2V(クルマ同士の通信、サイドリンク方式ともいわれる)やV2P〔クルマと歩行者(スマホ)の通信〕、V2N(クルマとインターネット接続)などが可能となっている。

 こうしたV2X(V2V/V2I/V2P/V2N)の考え方をベースに、前述した5GAAが設立された。

〔2〕5G-V2Xに取り組む5GAA

 5GAAでは設立以降、C-V2X(セルラーV2X)について長い時間をかけて、優先度を付けながら、3GPPへの貢献をしてきた。

 図6に、5GAAのV2X関連のユースケース進捗計画(タイムライン)を示すが、5GAAは、早くから4G(LTE)を使用する4G-V2Xに取り組み、さらに5G(NR)を使用する5G-V2Xにも取り組んでいる。

図6 5GAAのV2X関連ユースケース進捗計画:C-V2Xユースケースを普及させるためタイムライン

図6 5GAAのV2X関連ユースケース進捗計画:C-V2Xユースケースを普及させるためタイムライン

HDマップ:High Definition Map、自動運転車(AV)向けに開発されている高精度(HD:High Definition)の地図情報。自動運転の実現に不可欠な技術
ローカルハザードと交通情報:クルマ同士をネットワークでつないで、運転者に路上の危険(ローカルハザード)を知らせる情報システム
VRU: Vulnerable Road User、交通弱者。運転免許をもっていない(あるいはもてない)人、または自家用車をもっていない(もてない)人などのこと
AV:Autonomous Vehicle、自動運転車
自動バレーパーキング:バレーパーキング(Valet Parking)とは、駐車する際に運転手に代わってホテルのボーイなどの係員が駐車作業を行うサービス。このサービスに自動運転の技術を活用し、無人化・自動化したものが自動バレーパーキング
〔原典〕 https://5gaa.org/wp-content/uploads/2020/09/A-Visionary-Roadmap-for-Advanced-Driving-Use-Cases-Connectivity-Technologies-and-Radio-Spectrum-Needs.pdf
出所 住田 正臣、「3GPP Release 16特長紹介〜産業連携と自動化の促進」、TTCオンラインセミナー(2020年10月27日)をもとに編集部で日本語化

 具体的には、図6の左に示すように、クルマのトラフィック(交通量)の効率化や、安全性の向上、安全自動運転(ステップ1、ステップ2)に至るまで綿密に計画され、2025年頃から4G-V2Xと5G-V2Xを共存させながらも、自動運転車には5G-V2Xが実装されていく計画となっている(注。自動車の寿命は長いので、4G-V2Xから5G-V2Xへの移行には時間がかかるため、共存期間も長くなる)。

 V2Xに関しては、すでに4G-V2Xが可能となっている。現在、サービスの拡張やアーキテクチャの拡張、それらに対応したセキュリティ、アプリケーションレイヤのサポート、さらに5Gの無線方式であるNRを利用したサイドリンク方式(クルマ同士の通信)の仕様化が進められている。

 リリース16では、さらに多岐にわたるC-V2X関連の作業項目が検討されているが、ここでは省略する。

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