[特集]

カーボンニュートラル時代! 日本の再エネ導入ポテンシャル

― 改正地球温暖化対策推進法の成立からCOP26まで ―
2021/06/04
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

日本の温室効果ガス排出量

〔1〕2014年度以降6年連続で減少

 それでは、日本の温室効果ガスの排出量は、どのように推移してきたのだろうか。

 図3は、2019年度の日本の温室効果ガス排出量と削減目標を示したものである。図3からわかるように、温室効果ガスの総排出量は、2013年度に14.1億トンとピークアウトし、2014年度以降2019年度まで6年連続で減少している。日本政府は、すでに国連に日本の温室効果ガスの削減目標26%(2013年度比)を提出しているが、今回、これを46%削減(2013年度比)へと大幅な削減目標を宣言した。

図3 日本の温室効果ガス排出量の推移と削減目標

図3 日本の温室効果ガス排出量の推移と削減目標

【財務省説明】
・パリ協定に基づく、現在の日本の温室効果ガス削減目標は2030年度に26%削減(2013年度比)。2014年度以降6年連続で日本の温室効果ガス排出量は低下。
・2020年10月26日、菅首相が2050年までにカーボンニュートラルの達成を表明。脱炭素社会の実現に向けて、経済と環境の好循環を作り出す。
・2021年4月22日、菅首相が、米国主催の「気候サミット」において、2030年度の削減目標を46%削減を目指すことを宣言。
出所 財務省 歳出改革部会(令和3年4月30日開催)配布資料、資料1「グリーン」より

 基準となる2013年の排出量は14.1億トンであるので、これを基準に計算してみると、2030年の削減目標は次のようになる。

  1. 26%削減の場合:14.1億トン×0.74=10.4億トン
  2. 46%削減の場合:14.1億トン×0.54=7.6億トン

(2)の7.6億トンは、図3に示す2030年時点の赤い棒グラフの部分となる。2030年を契機に、日本は2050年のカーボンニュートラル(脱炭素社会)実現への道を目指すことになった。

〔2〕温室効果ガスの9割以上がCO2

 図4は、図3に示した日本の2019年度の温室効果ガス排出量の12億1,300万トン(CO2換算。図3では概略して12.1億トンと表記)に関して、ガス種別の内訳を示したものである。前出の表3と同様に、排出量の9割以上(91.2%)をCO2が占めていることがわかる。

図4 日本の温室効果ガス排出量の種別内訳

図4 日本の温室効果ガス排出量の種別内訳

出所 https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/ondanka_wg/pdf/003_03_00.pdf

図5 各国の温室効果ガス排出量シェア(2018年)

図5 各国の温室効果ガス排出量シェア(2018年)

※単位:CO2百万トン換算。
(出典)IEA CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION (2018 Edition)、2015 Greenhouse-gas emissions (2018Edition)
出所 https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2018/html/003/

〔3〕各国の温室効果ガス排出量のシェア

 図5は、各国の温室効果ガス排出量シェアを示している。

 図5からわかるように、温室効果ガス排出量については、圧倒的に中国の排出量が多いことがわかる。

 

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