日本の電源構成と再エネ等の内訳
〔1〕2019年度の再エネは18.0%へ上昇
図6は、現状の温室効果ガス排出量のもとで、日本の電源構成と再エネなどの内訳を示している。
図6 日本の電源構成:日本の消費電力は約1兆kWh
図6の左に示すように、日本全体の電力消費量は、約1兆kWh(2013年度:10,845億kWh、2019年度:10,277億kWh)である。
2019年度の再エネ等は18.0%(水力7.7%、太陽光6.7%など)となり、2013年度から7.1%増加し、原子力は6.2%と2013年度から5.3%の増加となった。
一方、CO2排出量の多い天然ガス(37.1%)、石炭(31.9%)、石油等(6.8%)は合計75.8%で、2013年度からは12.5%減少している。特に、2013年度と比較すると石油等の減少が7.7%と最も大きくなっていることがわかる。
〔2〕日本の再エネの可能性:2.6兆kWh
カーボンニュートラルについて、日本政府は、「2030年に46%削減を目標としつつ、50%削減の高みに向け、挑戦する」と宣言したが、実際に日本の再生エネのポテンシャル(可能性)はどこまであるのだろうか。
図7は、環境省が発表した、最新の再エネポテンシャルの推計結果(2021年1月)注2である。
図7 日本の再エネの発電電力量のポテンシャル(単位:億kWh)
前出の図6に示した2019年度の日本の総電力量の10,277億kWhに対して、最大2倍以上の26,186億kWhという膨大なポテンシャルがあることが示されている。
その内訳を表4に詳しく示すが、ポテンシャルの大きい電力量(kWh)の順(設備容量:kW)を示すと、
- [第1位]洋上風力発電:15,584億kWh/年(46,025kW)
- [第2位]太陽光発電:5,041億kWh/年(40,622kW)
- [第3位]陸上風力発電:4,539kWh/年(16,259kW)
となっており、風力発電、特に洋上風力発電のポテンシャルが、太陽光発電の3倍以上の電力量をもつ点に注目できる。
表4 日本における再エネポテンシャル(可能性)の内訳(注)
(注)最新の推計結果(令和元年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書):2021年1月の修正版
出所 環境省「我が国の再生可能エネルギー導入ポテンシャル」
今後、再エネの主力電源化に向けて、再エネの最大限の導入が推進されていくと予想されるが、環境問題や漁業問題などの課題をクリアしながら、着実に前進していく必要が求められている。