Eで始まるスマートグリッド用語
2014年10月29日 16:19
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ECHONET/ECHONETコンソーシアム
- [Energy Conservation and Homecare Network]
- 読み方エコーネット/エコーネットコンソーシアム
- 日本語訳ホームネットワークの基盤ソフトウェアおよびハードウェアの規格/団体名
Energy Conservation(エネルギー節約)and HOmecare(在宅介護)NETworkのシステム実現を目指して、「ECHONETコンソーシアム」が策定した、ホームネットワークの基盤ソフトウェアおよびハードウェアの規格。1997年12月に設立(会員数:64 社・組織、2011年7月時点)。具体的には低圧配電線(屋内電力線:PLC)や無線、赤外線などを使用して、家電製品などを制御するための宅内ネットワークを構築する技術。OSI レイヤの1〜7 層を規定している(ECHONET Lite は5〜7層を規定)。2003年12月には通信プロトコルやインタフェース関連の規格「ECHONETVer.3.20」が完成し、すでに、2008年5 月にはISO/IEC において国際標準規格として認定されている。また、ECHONET Ver.3.60 に続いて、2011年6月には、
- ECHONET Ver.4.0(OSI 参照通信レイヤ1~7層を規定)
- ECHONET Lite Ver1.00(軽量版)
という新しい仕様が策定された。
特に、ECHONET Lite(OSI レイヤの5〜7層を規定)は、対応機器が増えて機能が肥大化しているECHONET(OSI レイヤの1〜7層を規定)プロトコルの機能を軽くした軽装版(Lite)として策定され、日本では、スマートハウスの中核となるHEMS の推奨インタフェースとなった(2011年12 月)。
ECHONET規格対応機器
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- 読み方エコーネットきかくたいおうきき
- 日本語訳ECHONETに対応したコントローラ、ルータ、機器
伝送メディアに依存しないネットワーク技術である「エコーネット(ECHONET)規格」で構成されるホームネットワークは、次に示す、ECHONETに対応したコントローラやルータ、機器で構成される。
- ECHONETコントローラ
家庭内の家電機器(エアコン、照明機器、電気冷蔵庫等)やセンサーなどのECHONET 機器を集中的に監視・制御するとともに、電話網やインターネットなどの外部ネットワークを介して、他のシステムとの相互接続を行うゲートウェイ機能も備えている。
- ECHONET ルータ(伝送メディア変換)
ルーティング機能を備え、異なる伝送媒体(例:Bluetooth、Eternet、無線LAN、小電力無線、電灯線等)間のプロトコル変換を行う装置で、適材適所な伝送媒体(伝送メディア)を選択することが可能。
- ECHONET機器
エコーネットに接続するためのインタフェース機能を実装した家電機器やセンサーなど。なお、2010 年度におけるECHONET 対応製品の出荷状況は次のとおり。
- ECHONET対応家電(ECHONET規格のミドルウェアアダプタインタフェース搭載した家電):計1402万8250台(2010年度:150万台出荷)
- ネットワークを構成するネットワーク機器(ルータ、コントローラ):累計3万350台(2010年度:1500台出荷)
- ①+②の総計:1405万8600台
ECHONET機器オブジェクト
- [ECHONET Device Objects]
- 読み方エコーネットききオブジェクト
- 日本語訳ECHONET 環境で使用される、「家電」「エアコン」「センサー類」などの機器
ECHONET環境で使用される、家電やエアコン、センサー類などの機器は、「ECHONET 機器オブジェクト(物体)」と呼ばれ、クラス分けされている。ECHONET 機器オブジェクトでは、各機器がもつ情報や制御対象(例:温度)の種別を、下記のようなクラスグループとして定義されている。すでに、ECHONET 規格として、
- センサー関連機器(例:防犯センサクラス)
- 空調関連機器(例:家庭用エアコンクラス)
- 住宅関連機器(例:電動シャッタークラス)
- 調理・家事関連機器(例:冷凍冷蔵庫クラス)
他など、87種類の機器オブジェクトが定義されている。
さらに2011 年12月には、ECHONET 機器オブジェクト詳細規定の改定が公開され、例えば、住宅関連機器クラスグループの中に、住宅用太陽光発電クラス、燃料電池クラス、スマート電力量メータクラス、スマートガスメータクラスなどが定義され、スマートグリッド時代に対応したECHONET へと脱皮した。
(注)詳しくは、ECHONET 機器オブジェクト詳細規定、Release A(2011 年12月21日)を参照のこと。
http://www.echonet.gr.jp/spec/pdf_spec_app_a/SpecAppendixA.pdf
ECHONET Lite
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- 読み方エコーネット・ライト
- 日本語訳スマートハウス(スマートグリッド)構築向けの規格
ECHONET コンソーシアムによって策定(2011年6月30日)され、一般公開(2011年12月22日)された、スマートハウス(スマートグリッド)構築向けの規格である。すでに、経済産業省やメーカーの協議体であるJSCA(スマートコミュニティ・アライアンス) のスマートハウス標準化検討会において、ECHONET LiteをHEMS の標準インタフェース推奨することが承認(2011年12月16日)された。
ECHONET Lite の特徴は次のとおり。
- 従来のECHONET 規格を大幅に軽装化したこと(冗長な部分を改善・削除したこと)。
- (1)により、小リソース(例:メモリ等の容量が少ない)白物家電やセンサー類、設備系機器にも搭載可能であること
- IP 対応になったこと。
- 既存のECHONET プロトコル搭載機器とECHONET Lite 搭載機器は、共存できること。
- ECHONET Liteでは、トランスポート層以下の規定を外して、通信処理部(レイヤ5〜7層)だけの仕様としていること(トランスポートフリーな規格)。
- 環境や機能要件によって自由に伝送媒体を選択できること(ECHONET では個別に規定されていた)。
- IEC TC57で2012年度中に国際標準化完了予定であること。
なお、ECHONET Liteの一般公開とともに、スマートハウス時代に対応して、家庭の太陽光発電や蓄電池(電気自動車)、燃料電池等の新しいECHONET機器オブジェクト[→]が追加され、ECHONET機器オブジェクト詳細規定も一般公開された。
EDC
- [Economic load Dispatching Control]
- 読み方イー・ディー・シー
- 日本語訳経済負荷配分制御
電力需要の変化に応じて、発電効率が異なる火力発電機や水力発電機の経済的な出力配分を計算し、発電機出力を制御する方法。一般的に負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)を組み合わせて発電機出力を制御している。
E-Energy
- [E-Energy: ICT-based Energy System of the Future]
- 読み方イー-エナジー
- 日本語訳ドイツ政府のスマートグリッドに関する国家プロジェクト
ドイツ政府が設置した、ICTを採用したエネルギーシステムの開発・構築を目指す国家プロジェクトで、2008年秋から活動を開始。「eTelligence」「RegModHarz」「E-DeMa」「SmartW@tts」「Modellstadt Mannheim」「MEREGIO」の6地域で、エネルギー管理の実証実験を実施している。このプロジェクトの目的は、個々の需要家が発電事業者となり、自由に電力を融通しあう「分散型・双方向のエネルギーシステム(エネルギーのインターネット)」の実現を目指している。ドイツ政府は、これらの実証実験の結果に基づいて、2012 年にスマートグリッドの具体的提案を行う予定。
EHP
- [Electric Heat Pump]
- 読み方イー・エイチ・ピー
- 日本語訳電気式ヒートポンプ[→]とも言われる。
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EIS Alliance
- [Energy Information Standards Alliance]
- 読み方イー・アイ・エス・アライアンス
- 日本語訳米国のエネルギー情報規格アライアンス
2009年6月設立。エネルギー管理システムや、スマートグリッド技術分野の製品やサービスを提供するアライアンス(米国カリフォルニア州)。
EISA
- [Energy Independence and Security Act of 2007]
- 読み方エイサ
- 日本語訳米国において2007年に成立したエネルギー自給・安全保障法 ◀日本語訳
EISA のスマートグリッドに関するフレームワークには、例えば、次のようなことが言及されている。
- スマートグリッドの情報を管理するにあたり、柔軟で統一的、かつ技術的に中立であること。技術は重要な要素であるが、パフォーマンスが技術に制約されることのないこと。
- 既存の集中型電源や送電系統と、需要家側の分散型電源を融合すること。
emanワーキンググループ
- [Energy Management WG]
- 読み方イーマン・ワーキンググループ
- 日本語訳IETFのemanワーキンググループ(運用管理技術エリア)
既存のインターネットにおけるネットワーク監視技術群に、電力状態の監視の機能を追加することを目指している。これまで、ルータなどのネットワーク機器の監視に、電力状態はとくに考慮されていなかった。
EMEA
- [Europe, Middle East, Africa]
- 読み方イー・エム・イー・エー
- 日本語訳欧州、中東およびアフリカ地域のこと
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EMS
- [Energy Management System]
- 読み方イー・エム・エス
- 日本語訳エネルギー管理システム
スマートグリッド環境において、全体の電力発電量や負荷の管理制御を行う中核的な装置。このEMS の下には、設置場所によって、次に示すようないろいろな名称のエネルギー管理システム(EMS)がある。これらが連携して、スマートグリッド全体のエネルギー管理を行う。
- HEMS:Home Energy Management System、宅内(家庭用)エネルギー管理システム
- MEMS:Mansion Energy Management System、マンション・エネルギー管理システム
- BEMS:Building Energy Management System、ビル・エネルギー管理システム
- FEMS:Factory Energy Management System、工場エネルギー管理システム
- CEMS:Community Energy Management System、地域エネルギー管理システム
EPRI
- [Electric Power Research Institute]
- 読み方イー・ピー・アール・アイ
- 日本語訳米国電力中央研究所
米国最大の電力技術に関する研究所(カリフォルニア州パロアルト)。
ERDF-G3
- [Electricité Réseau Distribution France- G3]
- 読み方イー・アール・ディー・エフ-ジー3
- 日本語訳フランスのERDFが策定するOFDM方式の低速PLCシステム
フランスのERDF が策定するOFDM[→]方式の低速PLC システム。ERDFのG3「AMM」〔Automated Meter Management、スマートグリッド用の自動メーター(検針)管理[→]〕仕様の規格の一部。EDF(Electricité de France、フランス電力)グループの子会社であるERDF(Electricité Réseau Distribution France、配電網管理会社)が策定する次世代電力線通信(PLC)の規格。伝送速度20kbps〜33.4kbps。
ESCO事業
- [Energy Service Company]
- 読み方エスコじぎょう
- 日本語訳-
省エネルギーの提案や設備の提供、メンテナンスなどの包括的なエネルギーサービスを提供する事業のこと。
ESI
- [Energy Service Interface]
- 読み方イー・エス・アイ
- 日本語訳エネルギーサービスインタフェース
Smart Energy Profile(SEP[→])が対象とする宅内のHANデバイス(家庭内のホームネットワークに接続された各機器)と、外部のネットワーク(宅外通信網)間で、セキュアなやり取りを可能とするゲートウェイの役割をするインタフェース。
ESMIG
- [European Smart Metering Industry Group]
- 読み方イー・エス・エム・アイ・ジー
- 日本語訳欧州全域にわたるスマートメーター産業グループ
欧州における27加盟国にスマートメーターを普及させるための組織(ベルギー・ブリュッセル)。
Ethernet
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- 読み方イーサネット
- 日本語訳IEEE 802.3規格
IEEE 802.3 Ethernet ワーキンググループ(WG)で策定された規格で、次のような規格がある。
- 100GEthernet(IEEE802.3ba規格):100Gbps
- 40GEthernet(IEEE802.3ba規格):40Gbps
- 10GEthernet(IEEE 802.3ae規格):10Gbps
- GigabitEthernet(IEEE 802.3z/3ab 規格):1Gbps
- FastEthernet(IEEE 802.3u規格):100Mbps(100BASE-T)
- 10BASE-T(IEEE 802.3i規格):10Mbps
なお、Ethenet WGでは、これらの規格とは別に、オフィスの新しい節電(省エネ)環境を目指して、Ethernet 上にデータ信号とともに電力も供給できるPoE〔Power over Ethernet規格(IEEE 802.3af:15.4Wの電力を送電)〕なども策定されている。さらに、PoE を拡張したIEEE 802.3at-2009準拠のPoEP(Power over Ethernet Plus)では最大30Wの電力を、さらにシスコシステムズはこれを拡張したUPOE(Universal POEP)で最大60Wの電力を、カテゴリ5e(以上)のUTP ケーブル経由で100m先まで供給できる製品を発表。このUPOEによって、オフィス全体で30%から50%もの節電を可能としている。
ETP
- [European Technology Platform]
- 読み方イー・ティー・ピー
- 日本語訳欧州テクノロジープラットフォーム
2003年設立。特定の技術テーマについての研究開発を促進するため、欧州連合(EU)支援の下で、産業界主導で設立・運営されている組織。ETP 内に、スマートグリッドを検討するための「European Technology Platform SmartGrids」(略称:SmartGrids)が設立(2005年)され、スマートグリッドの取り組みを促進している。
ETSI
- [European Telecommunications Standards Institute]
- 読み方エッツィ
- 日本語訳欧州電気通信標準化機構
1988年設立(本部:フランス)。欧州委員会(EC)に公認されている電気通信関係の標準化機関で、欧州各国で電気通信を監督する官公庁や電気通信事業者、メーカー、研究機関などで構成。ETSIは、スマートグリッドをM2M(Machine to Machine Communication)と位置付け、スマートメーターや電気自動車をはじめ、セキュリティの要求条件などに至るまで、活発な標準化活動を展開している。また、EU Smart Grids Task force(スマートグリッドについて、欧州レベルでの政策と規制の方向性に関するアドバイス等を行う委員会)と連携して活動し、さらに、CEN(欧州標準化委員会)/CENELEC(欧州電気標準化委員会)とスマートグリッド共同ワーキンググループを設置して活動している。2012年1月、ETSIはスマートグリッドを含めて重要な技術となるM2Mの標準化活動に向けて、7つの標準化機関(SDO)の合意の下に、「グローバルイニシアティブ」を設立すると発表した。このような背景から具体的には、「oneM2M」[→]という標準化組織が設立されることになった。
EU指令(M/441)
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- 読み方イー・ユーしれい(エム441)
- 日本語訳欧州におけるスマートメーターに関する指令
このEU指令は、欧州標準化団体(CEN、CENELEC、ETSI)に対し、通信プロトコルを含むスマートメーター(電気、ガス、水道、熱)に関して、相互接続性を実現するための、オープンアーキテクチャの開発とその標準化の指令である(2009年3月)。CEN は欧州標準化委員会、CENELECは欧州電気標準化委員、ETSI は欧州電気通信標準化機構の意味。
( 注)EU 指令(M/441):Standardisation mandate to CEN, CENELEC and ESTI in the field measuring for the development of an open architecture for utility meterinvolving communication protocol enabling interoperability.
EU指令(M/490)
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- 読み方イー・ユーしれい(えむ490)
- 日本語訳欧州連合のスマートグリッド開発に関する指令
欧州連合のスマートグリッド開発を支援するための欧州標準化団体(CEN、CENELEC、ETSI)への指令。
このEU指令(2011年3月)を受けて、欧州標準化団体は、スマートグリッドタスクフォース(Smart Grids Task Force)を設立し、欧州市場に向けたスマートグリッドの規格を目指して標準化を開始している。
( 注)EU 指令(M/490)March 2011, Smart Grid Mandate:Standardization Mandate to Euro pean Standardisation Organisations (ESOs) to supportEuropean Smart Grid deployment,
http://ec.europa.eu/energy/gas_electricity/smartgrids/doc/2011_03_01_mandate_m490_en
EU-ETS
- [European Union Greenhouse Gas Emission Trading System]
- 読み方イーユー-イー・ティー・エス
- 日本語訳欧州排出権取引制度
深刻な地球温暖化問題等を解決するために、EU(欧州連合)圏内において、CO2(二酸化炭素)に関する、複数の国間で行われる排出量取引制度のこと。排出量取引(Emissions Trading)とは、CO2 などの温室効果ガスの排出の枠を、国あるいは企業ごとに割り当て、その枠を超えて温室効果ガスを排出した国や企業と、その枠が余っている国や企業との間で排出枠を取引する制度。このような取引によって、地球上の温室効果ガス全体の排出量を、一定の範囲内に抑えることを目指している。京都議定書[→]では、温室効果ガスについて国別の削減目標を示している。
European Smart Cities
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- 読み方ヨーロピアン・スマート・シティーズ
- 日本語訳EU(欧州連合)の「スマートシティプロジェクト」
EUは、低炭素化社会を実現すること等を目的に、スマートシティモデルを定義。そのモデルでは、Smart Economiy、Smart Mobility、Smart Eivironment、Smart Peaple、Smart Living、Smart Governanceの6つが定義されている。
EV
- [Electric Vehicle]
- 読み方イー・ブイ
- 日本語訳電気自動車
基本的に蓄電池(例:リチウムイオン電池等)の電力でモーターを駆動して走行する自動車。エンジン(内燃機関)とモーターを並列に使う自動車を「(プラグイン)ハイブリッド自動車」(PHV[→])というが、広義にはEV とPHV を含めて電気自動車と言われる。
EVI
- [Electric Vehicles Initiative]
- 読み方イー・ブイ・アイ
- 日本語訳IEA内の電気自動車イニシアチブ
IEA[→]〔International Energy Agency、国際エネルギー機関)1973年設立〕内の電気自動車イニシアチブ。同イニシアチブは、ハイブリッド電気自動車や燃料電池車、プラグインを含めて、2020年までに少なくとも全世界で2000万台の電気自動車(PHV も含む)を普及・促進することを目指している。
EVSE
- [Electric Vehicle Supply Equipment]
- 読み方イー・ブイ・エス・イー
- 日本語訳電気自動車の充電設備
電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池などを充電する際に必要な充電ケーブル等の設備。