建設系廃プラをケミカルリサイクルする実証
鹿島建設株式会社(以下、鹿島)、株式会社竹中工務店(以下、竹中)、日本通運株式会社(以下、日本通運)、株式会社リファインバースグループ(以下、リファインバースグループ)、株式会社あおぞら(以下、あおぞら)、三菱ケミカル株式会社(以下、三菱ケミカル)の6社が、建設現場で排出される廃プラスチックを化学的に分解して再利用するケミカルリサイクルの実証を進めている。ケミカルリサイクルのサプライチェーンを構築し、建設業界全体に水平展開するのが目的。2025年11月13日に発表した。
再資源化率向上やサプライチェーン構築を検証
建設現場で排出される廃プラスチックは、種類が多いのに加え、汚れが付着しやすい。そのため、分別や不純物除去に手間がかかり、そのほとんどが熱回収(サーマルリカバリー)注1や焼却、埋め立て処分されている。
6社の実証では、鹿島と竹中の建設工事現場から排出される廃プラスチック類を日本通運が収集・運搬し、リファインバースグループが選別・回収、あおぞらが原料加工する。加工された原料を三菱ケミカルが油化する。
プラスチックの再資源化率向上や、建設業界全体への水平展開に向けたサプライチェーン構築などを図る上での課題を環境性と経済性の両面から評価し、解決策を立案する。
建設現場が各地に点在しているという特性を踏まえ、環境性については収集運搬に伴うCO2排出量を考慮したLCA(ライフサイクルアセスメント)注2分析を実施し、CO2排出量の削減効果を算出することで、脱炭素の観点からも総合的に評価する。
環境省の「令和7年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業」に採択された「建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクル実証事業」として実施する。
注1:熱回収(サーマルリカバリー):廃棄物を燃焼させる際に発生する熱エネルギーを回収し、発電や熱源として利用すること。
注2:LCA(ライフサイクルアセスメント):製品の原材料調達から製造、流通、使用廃棄・リサイクルに至るまでの過程(ライフサイクル)における環境負荷を定量的に評価する手法。