循環経済の国際的フレームワーク「GCP」をCOP30で発表、WBCSD
測定・管理・開示の方法論や指標を提示2025年11月17日 (月曜) 9:53
COP30で循環経済の国際的フレームワーク「GCP」を発表
持続可能な開発に取り組む企業の連合体であるWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は、循環性(サーキュラリティ)注1の評価や情報開示に関する国際的なフレームワーク「GCP(Global Circularity Protocol for Business:ビジネスのためのグローバル循環プロトコル)」を、現地時間2025年11月11日にブラジル・ベレンで開催中のCOP30(第30回気候変動枠組条約締約国会議)で発表した。
循環性の評価や情報開示に関する指標や方法論を提示
今回公開されたGCPの初版(v1.0)は、WBCSDが国連環境計画(UNEP)主導のOne Planet Networkと共同で開発した、ビジネスの循環性を測定、管理し、開示するための国際的なフレームワーク。WBCSDの代表兼CEOのピーター・バッカー氏は、「2050年までにGCPが広く導入されれば、最大1200億トンの物質を節約し、最大76ギガトンのCO₂排出量を削減できる可能性がある」と述べる。
(1)目標設定、(2)準備、(3)測定、(4)管理、(5)開示という流れに沿って、標準化された指標や方法論を提示している。これにより、組織が物質の流れ(マテリアルフロー)を追跡し、それらの活動が気候、自然、公平性、ビジネスに及ぼす影響を評価できるとする。
様々な規模、業種、地域の組織が利用できるように設計されており、材料、製品、事業といった種々のレベルに適用できる。組織の循環性への取り組み状況に応じ、段階的に取り組みを進められるように実施プロセスをまとめている。
WBCSDの「Circular Transition Indicators (CTI)」注2を基盤とし、「GRI」注3、「ISO 59020」注4、「ESRS」注5、「IFRS S1/S2」注6、「GHG プロトコル」注7といった指標・規格との整合性を確保しており、持続可能性レポート全体の一貫性を確保しているという。
今後の改訂版では、プロトコルの適用範囲を拡大し、財務報告フレームワークやESG(環境: Environment、社会: Social、ガバナンス: Governance)報告フレームワークとのさらなる統合を進める予定である。
なお、GCPの発表は、WBCSD、One Planet Network、日本の環境省との共催イベント内で行われた。環境省は、2024年にWBCSDとGCPの開発に協力する文書に署名し、資源循環に関する企業レベルの情報開示スキームやバリューチェーンの循環性指標等の開発を進めるなど、GCPの開発に協力している。
注1:循環性(サーキュラリティ):資源や製品を廃棄せずにできるだけ長く、最大限に活用し続けること。
注2:Circular Transition Indicators (CTI):WBCSDが開発した、企業の循環経済への移行度合い(循環性パフォーマンス)を測定・評価するための指標フレームワーク。
注3:GRI:企業の経済、環境、社会への影響に関するサステナビリティ報告書の国際的な標準(GRIスタンダード)を策定する機関、またはその基準自体を指す。
注4:ISO 59020:ISO(国際標準化機構)が定めた、循環経済のパフォーマンスを測定・評価するための原則、用語、枠組みを規定する国際規格。
注5:ESRS(欧州サステナビリティ報告基準):EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づき、企業がサステナビリティ情報を開示する際に使用する具体的な欧州基準。
注6:IFRS S1/S2:ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)が発行した、投資家向けのサステナビリティ関連(S1:全般)および気候関連(S2)の財務情報開示に関する国際基準。
注7:GHG プロトコル:温室効果ガス(GHG)排出量の算定および報告に関する、世界で最も広く使用されている国際的な標準。
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