Hで始まるスマートグリッド用語
2014年10月29日 17:00
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HAN
- [Home Area Network]
- 読み方ハン
- 日本語訳宅内通信網(ホームエリア・ネットワーク)
HAN の具体例としては、ZigBee[→]、PLC[→]、Wi-Fi[→]、ECHONET Lite[→]、G.hn[→]などがある。家庭内の各機器(照明機器、空調機器、家電機器等)やスマートメーターを相互接続して通信を行い、消費電力の見える化(宅内ディスプレイへの表示)や各機器の電力制御を行うネットワーク。その管理の中心的な装置として、HEMS[→(]宅内エネルギー管理装置)がある。
HBES
- [Home and Building Electronic Systems]
- 読み方エイチ・ビー・イー・エス
- 日本語訳宅内やビル内の電子機器のシステム
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HBS
- [Home Bus System]
- 読み方エイチ・ビー・エス
- 日本語訳ホームバスシステム
JEITA〔電子情報技術産業協会。旧日本電子機械工業会(EIAJ)〕が標準化した家庭内ネットワーク向けの規格。
JEITA:Japan Electronics and Information Technology Industries Association(一般社団法人 電子情報技術産業協会)
HD-PLC
- [High Definition-Power Line Communication]
- 読み方エイチ・ディー-ピー・エル・シー
- 日本語訳HD-PLCアライアンスによって策定された高速用PLC規格
パナソニックが発起人となって設立(2007年9月)された「HD-PLC アライアンス」によって策定されたPLC 規格(高速用PLC 規格)。HD-PLCアライアンスは、高速電力通信網の「HD-PLC」の普及拡大と「HDPLC」を採用した製品間での通信互換性の一層の向上を図ることを目的として設立された(会員数は23 社、2011年6月時点)。なお、2010年10月に、HD-PLC方式は、HomePlug方式(HomePlug Powerlineアライアンス規格)とともに、IEEE 1901-2010標準(最大伝送速度210Mbps)となる。標準の名称はPLC ではなく「BPL」(Broadband over Power Line、高速電力線通信)。このBPL 規格には、
- 屋内通信(HAN[→])向けの宅内BPL(通信距離が100m程度)
- 地域通信網(FAN[→])向けのアクセスBPL(通信距離1,500m程度)
の2つがある。
HDMI
- [High-Definition Multimedia Interface]
- 読み方エイチ・ディー・エム・アイ
- 日本語訳高解像度マルチメディアインタフェース規格
映像・音声を非圧縮でプレーヤーからテレビ側へ伝送可能な、高解像度マルチ メディアインタフェース規格。
HDMI の規格としては、HDMI 1.0(2002年)、HDMI 1.2(2005 年)、HDMI1.3(2006 年)、HDMI 1.4(2009年)、HDMI 1.4aで3D コンテンツの放送版の仕様を追加(2010年3月)などがある。
- 有線HDMI 規格の最大伝送速度:10Gbps。
- 無線DHMI 規格の最大伝送速度:4Gbps(60GHz 帯)
また、Ethernet チャネルとして100Mbpsをもつ。日立製作所、パナソニック、フィリップス、シリコン・イメージ、ソニー、トムソン、東芝の7社が共同で規格を策定。HDMIライセンシング社(米HDMI Licensing, LLC)がHDMI 規格のライセンシング代理業者となっている。
HEMS
- [Home Energy Management System]
- 読み方ヘムス
- 日本語訳宅内(家庭用)エネルギー管理システム
スマートハウスにおける中核的な装置で「宅内エネルギー管理システム」と言われる。HAN(ホームネットワーク)に接続され、IT 技術を使用して家庭内に設置された各機器を効率的に運用するための装置。例えば、次の機能をもっている。
- 監視機能:宅内(家庭用)のエネルギー使用状況を把握する機能。
- 表示機能:宅内(家庭用)のエネルギー使用を表示機器に表示し「見える化」する機能。
- 制御機能:宅内(家庭用)の家電機器や住宅設備機器を遠隔自動制御する機能。
すなわち、スマートハウスがその機能を発揮するには、HEMSが、「創エネ」(太陽光発電、燃料電池等)、「蓄エネ」(家庭用蓄電池、電気自動車等)、「省エネ」(スマート家電、LED 照明機器等)のすべての情報を取得して分析し、その結果をスマートフォンの画面等に「見える化」させるとともに、家電機器などを遠隔から制御できることなども必要となる。
こうした情報の連携を実現しスマートハウス内の構成要素を統合管理する装置が「HEMS」である。HEMS は、ホームコントローラあるいはホームサーバなどとも言われる(企業・団体によって呼び名は異なるが、基本的な機能はほぼ同じものである)。日本では、HEMSの推奨インタフェースとして「ECHONET Lite」[→]がJSCA[→]で選定された(2011年12 月)。
HEMSアライアンス
- [Home Energy Management System Alliance]
- 読み方ヘムス・アライアンス
- 日本語訳HEMSの市場の確立と普及を目的として設立されたアライアンス
HEMS(宅内エネルギー管理システム[→])の市場の確立と普及を目的として、2011 年7 月に設立された共同検討体制。設立メンバー企業は、KDDI、シャープ、ダイキン工業、東京電力、東芝、日本電気、パナソニック、日立製作所、三菱自動車工業、三菱電機の10社。同アライアンスは、HEMS アプリケーションからスマート家電群への制御のあり方に関する課題をはじめ、HEMS アプリケーションの開発・流通、スマート家電の保守などに必要な仕組み作りなどを検討する。なお、このアライアンスは、適宜、スマートコミュニティ・アライアンス(JSCA)などの各団体やハウスメーカーなどとも連携して展開する。
HEV
- [Hybrid Electric Vehicle]
- 読み方エイチ・イー・ブイ
- 日本語訳ハイブリッド電気自動車
エンジンとモーターの両方を組み合わせて搭載した自動車。エンジンの燃費が悪くなるような負荷がかかった場合に、モーターの力をうまく補うことによって燃費を改良した自動車。現在、ハイブリッド車をさらに進化させたプラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)が登場している。通常のハイブリッド電気自動車よりも大型の蓄電池を搭載し、より電気自動車に近づいている。
HomeGateway Initiative( HGI)
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- 読み方ホームゲートウェイ・イニシアチブ
- 日本語訳ホームネットワークに関わる仕様策定や標準化活動を目的とする組織
2004 年設立。本部:フランス。会員数は 62 社(2012年1 月時点)。主要なブロードバンドサービスプロバイダー (BPS)によって設立され、その後、デジタル家電のリーディング ベンダーが参加、家庭にIP サービスを提供する方法などを開発している。具体的には、デジタルホームを構築するために必要な、ホームゲートウェイ、ホームネットワーク、ホームネットワーク機器の要求条件などをまとめて発行している。
HomeGrid Forum
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- 読み方ホームグリッド・フォーラム
- 日本語訳ホームグリッドフォーラム
2008 年4 月設立。会員数は28 社(2011年10月時点。本部:米国オレゴン州)。電力線、屋内電話線、同軸ケーブルに対応する次世代ホームネットワーク規格「ITU-T G.hn」[→]の仕様策定や、この通信方式を搭載した製品間の相互接続検証などを行うフォーラム。ITU-T G.hn 主な仕様は、次のとおり。
- 最大伝送速度:1Gbps
- プロトコル: ① G.9960 :物理層、② G.9961 :データリンク層、③ G.9972 :共存プロトコル(IEEE 1901との共存)
なお、G.hnは、屋内通信〔In-Home:HAN(Home Area Network)〕用としても、屋外通信用〔Access 網:FAN(Field Area Network)〕としても利用可能。
HomePlug 1.0/AV/AV2
- [HomePlug Powerline Alliance バージョン1.0 /AV/AV2]
- 読み方ホームプラグ1.0/ホームプラグ・エー・ブイ/エー・ブイ2
- 日本語訳HomePlug Powerlineアライアンスが策定したPLC規格
2001 年に、最初の仕様「HomePlug 1.0」最大伝送速度14Mbps を発表。2005年に高速PLC規格「HomePlug AV」(HPAV)を発表。HomePlug AV は宅内の電力線を使用してマルチ・ストリーミングが可能なエンターテインメント・ネットワーク規格。ビデオ、オーディオ、データ転送のために最大200Mbpsの伝送速度で電力線通信が可能。次世代のHomePlug AV2(AV2)は2012年1月に発表され、ギガビット・クラスの伝送速度を実現。このAV2仕様は、現在のHomePlug AV規格やHomePlug Green PHY(HomePlug GP[→])規格、IEEE 1901[→]規格対応製品と相互運用が可能。
HomePlug GP
- [HomePlug Green PHY]
- 読み方ホームプラグ・グリーンファイ
- 日本語訳スマートグリッド/スマートエネルギーを対象とする低速PLC規格
HomePlug Powerlineアライアンスが策定(2010年6月)した、スマートグリッド/スマートエネルギーを対象とする低速PLC規格。HomePlug AV[→]およびIEEE1901[→]と相互運用性をもつ。IPv6をサポートし、最大伝送速度は3.8Mbps。
HomePlug Powerline Alliance
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- 読み方ホームプラグ・パワーライン・アライアンス
- 日本語訳高速電力線通信(PLC)仕様などの策定を行う業界団体
2000年3月設立。会員数は63社(2011年10月時点)。略してHomePlugとも言われる。IEEE 1901 規格の物理層/MAC 層を下位層として使用し、上位層のネットワーク層~アプリケーション層の標準化に取り組む業界団体。2001年にHomePlug 1.0[→]仕様を、2005年にHomePlug AV[→]仕様、2007年にHomePlugコマンド&コントロール仕様等を発表している。2010年のHomePlug GP[→](Green PHY)に続いて、2012 年1月に次世代の高速なギガビットクラスのHomePlug AV2[→]が発表された。ZigBeeアライアンス等と共同でSmart Energy Profile 2(SEP2[→])の策定などにも関与している。具体的な規格は、次のとおり。
- HomePlug1.0:最大14Mbps
- HomePlug AV:最大210Mbps
- HomePlug Green PHY(GP):最大3.8Mbps
- IEEE 1901:最大210Mbps
- HomePlug AV2:Gbpsクラス
なお、2010年10月に、HomePlug方式は、HD-PLC方式[→]とともに、IEEE1901-2010標準[→]となった。
HomePNA
- [Home Phoneline Networking Alliance]
- 読み方ホーム・ピー・エヌ・エー
- 日本語訳家庭内の既設の電話線を使ってホームネットワークを構築する規格
HomePNA アライアンスという団体名(本部:米国カリフォルニア)、および同アライアンスが策定した、家庭内の既存の電話線を使ってホームネットワークを構築する規格名。HomePNA 3.1規格は、同軸ケーブル/電話線上で最大伝送速度320Mbps を実現する。HomePNA 3.1は、ITU-T 勧告G.9954(2007年1月)として国際標準になっている。
HTTP
- [HyperText Transfer Protocol]
- 読み方エイチ・ティー・ティー・ピー
- 日本語訳ハイパーテキスト転送プロトコル
Web ブラウザとWeb サーバの間でコンテンツ(HTML 文書等)の送受信に用いられる通信プロトコル(IETF 標準)。
HTTPS
- 「HTTP over SSL/TLS]
- 読み方エイチ・ティー・ティー・ピー・エス
- 日本語訳HTTPの暗号化されたプロトコル
HTTP によるWeb のデータ転送が、SSL[→]やTLS[→]で暗号化されているプロトコル。すなわち、WebサーバとWebブラウザの間の通信が暗号化されているプロトコル(IETF標準)。
HVAC
- [Heating, Ventilation, and Air Conditioning]
- 読み方エイチ・ブイ・エー・シー
- 日本語訳建物の暖房、換気、および空調サービス
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HVDC送電システム
- [High Voltage Direct Current Transmission System]
- 読み方エイチ・ブイ・ディー・シー
- 日本語訳高圧直流送電システム
直流送電とは、発電機で発電した三相交流電圧を直流電圧に変換し、送電する方法。これを25万V~50万V などの高電圧にして送電する方式。HVDC 送電システムは、比較的低コストで実現でき、交流送電システムよりも低損失で長距離送電することが可能であるが、交流システムに比べ信頼性などに課題があるといわれている。
HVDC給電システム
- [High Voltage Direct Current Power Supply System]
- 読み方エイチ・ブイ・ディー・シーきゅうでんシステム
- 日本語訳高電圧直流給電システム
ICT(情報通信)分野では、通常、交流の給電電圧はAC100VあるいはAC200Vが使用されている。一方、直流の給電電圧の場合は、電気通信用として世界的にDC48Vが使用されている。このDC48Vよりも高いDC300~DC400Vの電圧範囲は、高電圧直流(HVDC)と呼ばれる。高電圧直流(HVDC)給電システムは、交流給電システムに比べて消費電力量を最大20%程度削減できるといわれ、普及しはじめている。具体的には、通信事業用ビルやデータセンターへの適用を適用をはじめ、太陽光発電などのスマートグリッド分野への展開も行われている。なお、参考のために、日本国内では、「電気設備に関する技術基準を定める省令(経済産業省令)」によってDC750V以下が低電圧、DC750Vを超えてDC7,000V以下が高電圧と定められている。また、国際標準機関であるIEC(国際電気標準会議)では、DC1500V未満は低電圧(LVDC)と定義されている(LVDC:Low Voltage Direct Curret)。