[特集]

エネルギーIoTで変革をめざすNTTスマイルエナジーの再エネアグリゲータとしての挑戦

― ポストFIT時代の再エネビジネスのゆくえ ―
2018/01/01
(月)
威能 契 インプレスSmartGridニューズレター編集部

FIT(固定価格買取制度)(注1)の導入によって、国内の太陽光発電ビジネスは急速に拡大し普及してきたが、住宅向けの余剰買取制度は2019年から順次買取期間の終了を迎え、ポストFIT時代に対応できる新たなビジネスの創出が求められている。エネルギー分野においては、分散化、脱炭素化(CO2排出削減)、デジタル/IoT化の波がさらに加速していくなか、太陽光発電は「自家で発電して売る」時代から、「自家で発電して自家で消費する」時代に移行している。
このようななか、NTTスマイルエナジーはエネルギーIoTを活用した事業を2011年から展開してきている。ここでは、2017年11月14日に行われた事業戦略発表会と同社 代表取締役社長 小鶴 慎吾(こづる しんご)氏へのインタビューをもとに、NTTスマイルエナジーのポストFIT時代に向けた取り組みを見ていく。

NTTスマイルエナジーのプロフィール

 NTTスマイルエナジーは、2011(平成23)年6月1日、西日本電信電話(NTT西日本)株式会社(出資66%)とオムロン株式会社(出資34%)の合弁会社として設立された。NTT西日本のクラウド・通信技術と、オムロンの計測・制御技術によってエネルギー情報と通信を融合し、エネルギーの見える化サービスや見える化機器等の販売、発電事業を中心に事業をスタートした。

表1 NTTスマイルエナジーの会社概要(2017年12月現在)

表1 NTTスマイルエナジーの会社概要(2017年12月現在)

出所 NTTスマイルエナジー事業戦略発表会(2017年11月14日)をもとに編集部作成

Shingo Koduru

「売上規模は昨年(2016年)度は36億円でした。3〜5年度後には200億円ぐらいの規模にしていきたい」と意気込みを語るNTTスマイルエナジー 代表取締役社長の小鶴 慎吾氏

「親会社が地域通信会社なので、中小規模の家を中心としたところに価値が見い出せないかということで、当時は電気の見える化や太陽光のモニタリングなどのサービスで価値を提供していきました。都市全体を見てみると、ビルやメガソーラーなどについてはグループ会社のNTTファシリティーズが行っています。それらと合わせてNTTスマイルエナジーがスマートシティの実現に貢献できるのではないかと考え、設立しました。会社のロゴマークは、青い地球にエネルギーのコアがあり、S(smile)の文字が走っています。また名刺には10種類の絵がそれぞれ描かれていて各自が持っているのですが、これは私たちが社会を作ったときの姿をイラスト化したものなのです。持続可能(再生可能)でインタラクティブ(双方向)な変革を目指しています」と同社代表取締役社長 小鶴氏は語る。

 2011年11月に最初のサービスとしてスタートした、太陽光発電の遠隔モニタリングサービス「エコめがね」は、2017年12月現在で約4万カ所(利用ユーザー)につながり、そのパネル発電出力の総量が約1.2GW注2にまで拡大している。


▼ 注1
FIT:Feed in Tariff。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のこと。2012(平成24)年7月1日から施行された。これによって、再エネの全量固定価格買取制度が導入され、再エネ電源から発電された電気の全量を、国が定める一定の価格(固定価格)および期間で、電気事業者が買い取ることが義務付けられた。再エネの導入によって生じるコストは電気料金と一緒に賦課金という形で、利用量に応じて国民が負担する。

▼ 注2
1GW(ギガワット。100万kW)の太陽光発電所の面積は、東京ドーム約400個分に相当し、これらの発電所の最大発電出力は原子力発電所1基分に相当する。

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